呪術師殺しと呪術師
これは、私が体験したお話です。
私は代々呪術師をやっている家に生まれ、私も呪術師になるためにたくさん訓練していました。5歳のとき、術式が使えるようになりました。魔女という術式です。ほうきで空を飛んだり、毒を取り込み操ったりなど、割と良い術式です。そして6歳のとき訓練の合間の休憩の時間に、ほうきで空を飛んで景色を楽しんでいたんです。その時、禪院家という御三家のお屋敷の庭…ほぼ森のようなところです。そこで、大量の呪霊の気配を感じました。ほうきから降り、様子をみると雑魚呪霊のようでした。でも、そこにいた私と同じくらいの呪力がまったくない男の子は、為す術がなく殺されかけていました。口元には酷い怪我があります。私は呪霊を倒した後、反転術式は使えないから、とハンカチで傷を強く押さえるよう言いました。その男の子は甚爾というそうです。甚爾は、禪院家に生まれたけど呪力がなくて虐げられて育てられたそうです。可哀想に思った私は、そこから毎日休憩の時間におにぎりをもっていって食べさせていました。何年かたったある日、伯父様にその事がバレてしまいました。父様には言われなかったものの、休憩中の外出は禁止され甚爾に会えなくなってしまいました。その日から何年たったんでしょう。私が16の時です。まさか、あんな形で再会するとは思いませんでした…
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