風林火山! 遊園地の人狼ゲーム
「ん、んん……」
目が覚めると、見慣れない部屋にいた。
「……おい、どこだここ」
『起きたようだね、大葡萄コテツくん』
機械を通したような音声が流れる。伯爵の声だ。
「何をする気だ、おまえ」
『決まっているじゃないか、人狼サバイバルだよ』
人狼サバイバル……? また妙な名前を考えたもんだ。
『他の参加者も起きたようなので、私はこれで失礼するよ』
少しすると、天井からスクリーンが降りてきて、少年のようにきらきらとした、伯爵の顔が映し出された。
『なぜ暗闇ではネコの目が光って見えるか知っているかい?』
画面が少し荒くなり、すぐにもどる。
『ネコの目には網膜の後ろにタペタムという反射板が付いている。そのタペタムで入ってきた光を反射させ、網膜に送り返すことで私たちには光って見えるのだよ。反射させて光を2倍にすることによって、彼らは暗いところでも鮮明に見えるようになっているのだよ』
……はじまった。
『お久しぶりだね、諸君。私のことは……「伯爵」とでも呼んでほしい』
少しかしこまった口調で続ける。
『さて、参加者全員の目が覚めたようなので、エントランスに集まってほしい』
これから、人狼サバイバルがはじまる。
案内されたエントランスには、俺の知らない参加者にまじって、知っている参加者が何人かいた。
「あ、コテツくん、久しぶりですね」
ー 19,168文字
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update 2024/02/25