前世で逢いました、よね
私、赤島小春は
此の方、中原中也さんと
〔恋仲〕に成る筈であった
だけど、彼は私を拒んだ
「前世でも俺の事を覚えていたら」
何て言葉を残して
異能で
私を置いて逝ってしまった。
現世では無理だったのだ
だって、闇の者が、光の者になる何て
不可能であるから
紅いリボンを解き、手から離す
其のリボンは空を舞う。
そして、私は
其のリボンより真っ赤な汁を流し
来世へと向かった。
蝉が音を奏でる今日
又
貴方に
愛を届ける
だが、忘れてはいけない
私が
組織内で一番
『狂っていた』という事を──────────。
『前世で、逢ったよね。』
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update 2020/06/12