人類の運命 地球防衛軍5
ある街のはずれ、山を越えた荒野にEDFの基地が築かれていた。
地上施設だけをみれば小規模どころか基地にすら見えなかったが、地下には広大な格納庫が広がっている。
その中には、今の平和には似つかわしくない、大量の武器弾薬、そして最新鋭の兵器が運び込まれていた。
先日も、コンバットフレームと呼ばれる戦闘用歩行ビークルが数十台も空輸されたばかりだ。
基地は問題を抱えていた。武器の過剰な所有に対し、市民が反発。抗議運動が巻き起こりつつあるのだ。
そのため、広報部は毎月のようにイベントを開催。見学者の受け入れなど、市民との交流に力を注ぎはじめた。
現在、基地の兵器を用いるべき相手は存在せず、必要なのは軍事力の強化よりも市民の理解であったのだ。
イベントの開催当日。一人の若者が基地にやってくる。
民間企業に勤務し、軍とは無関係。その日、仕事の都合でたまたま基地を訪れたにすぎない。
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update 2023/06/18