本から姫様が誕生した瞬間 、
直ぐに部屋から出て別館にいる
ダリ先生の元へ走った 。
と、いうことを別館のダリ先生の部屋を
ノックした後に気がついた 。
ダリ先生は出張から帰ってきたばっかりなのか
ネクタイを緩めながら
ドアから身体をだしひーっ、と
お腹をおさえながら笑っている
信じて欲しいから 、
いや 、助けて欲しいから
この話をしたけれど 、
普通ならば信じられないだろう 。
本から生き物が出てきました ~ 、 なんて 。
まあこの悪魔 、 普通じゃないから
信じた説もあるけど 。(
後ろをくるっ、と振り向くと
俺の背中にベッタリとくっついて
ダリ先生の方を見ているあの姫様がいた 。
まって 。 俺そんな姫様に
気づかなかったってこと ?
どんだけ慌ててたんだよ 。
女の子の目は 、
どんよりと曇っていて
それが本心なのだろうと思ったと同時に
どれだけの間 、
暗く辛い思いをしたのだろうと思った 。
本の子じゃないなら
私はなんの子なんだろう 。
あれ 、 私なんの子 。
本の子 、 姫様は
誰の子かも分からないようで
結構ガチめに悩み
考えていた 。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!