第95話

離れてくれない
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2024/03/09 12:01
あなたside_




紺散「…、つまんな、」




少しの沈黙のあと、紺散さんはそう言い目の前の紅茶を1口飲んだ





紺散「…意味わかんない。なんで優はだめでこいつはいいの。、全くわかんない」


凪浜「瑞菜、今のは瑞菜が悪いよ」


紺散「、…わかってるよ、性格悪いこと言ってんのは。…でもさ、」





なんで優がこんな思いしなきゃいけないの、と



そう言ってまた私を見た




紺散「、誰がなんと言おうが私は優が幸せになるためならなんだってするからね。あんたと先生の邪魔をするのだって別に大変な事じゃない」






真っ直ぐとした目でそう言う紺散さんは


どこか強い意志を持っているように感じて怖かった


、でも






なぜか目を逸らすことが出来なくて


逸らせば“負けだ”と、言われているような気がした






そんな沈黙のなか、優さんの凛とした声が響いた




凪浜「、あ、あの子たちもう着いたって連絡きた、」





優さんのその言葉で、紺散さんは私から視線を外した





紺散「おっけー、行こ。ほら先生も生徒ちゃんの手掴んでないで準備して」


西畑「、…」





流石に人を待たせるわけにもいかないから





『いいよ、先生。、行ってきて?』





先生の背中を押すようにそう言った





西畑「、ごめん。…紺散が言ったこと、ほんまに気にせんでええからな。俺もこのことはちゃんと分かってるから」


『、うん、ありがと、』




上手く笑えてるか分からない表情で私がそう言うと、先生は一瞬困ったような表情を見せた



どうしよう、困らせてる


そう思ったとき、





紺散「ほーら早く行くよ?」


西畑「、…うん、」




紺散さんの言葉で、私と先生の手は離れた


私がひとつも動くことが出来ず立ちすくんでいる間に先生は外に出る準備を終わらせて




西畑「、じゃあ行ってくるな、」



優しく笑って私の頭をなでたあと、優さんたちとお店を出ていった







華神「、なに、あの人」


高橋「俺怖すぎて何も言えんかったわ、笑」


谷口「てかさっきの凪浜さんが前あなたが話してた人、?」


『、…』


道枝「、あなた?」


『、あ、…ごめんなに?』


谷口「ほら、前に話してたじゃん。先生の昔のこと。その時に言ってたのがさっきの凪浜さん?」


『、あ、うん。そうだよ』





広菜と奏には電話で1度話したことがある


恭平くんと駿くんには話してなかったけど


さっきの話の流れでなんとなくは分かってくれたんだろう


どんな話かは特に聞いてこなかった





高橋「、どーする?まだここおる?」


谷口「うーん、どっか移動する?」






気を使ってくれたのか、重すぎる空気を変えようとしてくれたのか


2人のその提案で私たちも店を出ることになった





華神「そうだ、新しく出来た雑貨屋さん行こーよ!」


谷口「うんいいね!私も行きたかった!」


高橋「こっから近かったっけ?」





前を歩いている3人の会話もあまり頭に入ってこなくて











…ずっと、紺散さんの言葉が頭を離れなかった




そうしたら急に隣にいた駿くんが





道枝「、なあ、」


高橋「ん?どしたみっちー」





声をあげたと思ったら




また急に、私の手をとって






道枝「、ちょっと別行動してきていい?あなたと2人で」


『、え、?』






駿くんがそう言った







華神「、…いいよいいよ、!私らあっちの方行ってるね。また合流する時連絡ちょーだい!」


道枝「ごめん、ありがと。…あなた行こ」


『、え、ちょっ、』






それから訳も分からないまま、私は駿くんに手を引かれて元来た道を戻って行った







______________


すみません🙇‍♀️

93話の「遭遇」の部分、分かりにくいところがあったので修正しました。

先生と優さん、紺散さんが集まっている理由の描写がうまく出来ていませんでした、、😢😢


分かりにくいと思っていた方は、お手数ですがもう一度読み返していただけると嬉しいです、🙇‍♀️🙇‍♀️

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