第35話

秘密 〜お別れ会②〜(short)
7
2024/04/19 15:00
さゆな達の寝室にて。
朔羅はベッドに腰掛けていた。
ここはリビングルームから1番遠く、物音は聞こえない。
静かな空間で、朔羅は過去のことを考えていた。
___あの時、もしも“あのひと”が助けてくれなかったら。
なんの感情もないような声で「危ない」と言われなかったら。きっと朔羅は、今頃この世にいなかった。
朔羅
(本当にありがとうね)
朔羅は微笑む。助けてくれた“あのひと”に向けて。


と、ドアが開いた。
見れば、実々が笑顔で顔を出している。
実々
話し合い終わったから、来ていいよ
話し合いが終わるのが思っていたよりもはやくて、朔羅は実々に尋ねた。
朔羅
もう終わったの?
実々
うん、はやいよね
そう言って実々が笑う。そしてドアを先程よりも大きく開け、リビングの方を見やった。
朔羅
…あ、ちょっと実々ちゃん
朔羅はベッドから立ち上がる。リビングに戻ろうとする実々を呼び止めた。
実々
どうかした?
不思議そうに首を傾げる実々。朔羅は問いかける。
朔羅
実々ちゃん。知ってるでしょ、かがみちゃんの事
実々
……
実々はしばらく朔羅を見つめていた。
やがて実々は、少しだけ表情を和らげる。
実々
…あのひとは秘密が多すぎて、どれのことか分からないかも
その戯けたような口調に、朔羅は笑った。
それと同時に、実々がかがみの事を“知っている”ことに安堵する。
朔羅
確かに
……かがみちゃんはたくさんのことを隠しているから、こちらが混乱しちゃう。
そう思って、朔羅はもう一度笑った。
実々
…朔羅おばあちゃんも、知ってるんだね
実々が少し小さな声で言った。
朔羅
うん、知ってるよ
朔羅が頷くと、ほっとしたように笑みを浮かべる。
実々
……それなら、良かった
朔羅
うん。わたしも、知っているひとがいて安心した
そして、2人は揃ってリビングへと向かった。












Rurira
どうもこんにちは、Ruriraです!
Rurira
今回の話、すごく短くなってしまいました…
Rurira
申し訳ないですが、しばらくはこの字数のチャプターもあると思っていただけると幸いです
Rurira
タイトルに(short)と書かれたものは短いです
Rurira
読んでくださり、ありがとうございました!

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