―トントンside
まさかあの大先生が期限内に書類出すとは...。
遅れること想定してちょっと早めの期限伝えてたんやけどいらん心配やったみたいやな〜。
とはいえミスばっかだったら意味ないからしっかり確認せんと。
...はぁ、今回は一体いくつあるんやろ?
驚きのあまりつい声に出してしまった。
いきなり声を上げた俺に少し驚きつつも、グルッぺンは尋ねてくる。
俺の煮え切らない態度にグルッぺンは少し口調を強めて催促してくる。
?
おかしな反応をするグルッぺンも気になるがそれ以上に俺の思考は書類に向かっていた。
これまでの鬱やったら平気で期限遅れて提出してさらにミスだらけだ。
そんな奴がいきなり期限内にしかも完璧に書類をしてきたなんてそう簡単には信じられん。
一瞬誰かにやらせたのかとも思ったが、これは間違いなく鬱の字だしそもそも人の書類をやってやる奴なんてこの軍にはおらん。
じゃあホンマに鬱が自分でやったんか?
それなら褒めてやらんとな。
だが、同時に疑問も残る。
ここまで完璧にできるのになぜ今までやらなかった?
怒られて興奮するようなやつでもないやろ。
能ある鷹は爪を隠す的な...。
いや、ここでやる意味が分からんな。
考えれば考えるほど分からなくなってくる。
お前は一体何者なんや?
鬱先生。
―グルッぺンside
ついに実力を出してきたか。(•´∀•`)ニタニタ
...だがタイミングが謎だな。
つい最近疑われたこともあり一時は今まで以上にへっぽこになると思っていたが......。
あいつは一体何を考えているんだ?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。