第26話

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2024/05/13 01:00


兎耳山 丁子
ねぇ、梅ちゃん
兎耳山 丁子
どうして梅ちゃんはてっぺんなのにそんなに楽しそうなの?


梅宮 一
オレさ、飯食うの好きなんだ



みんな は!? って顔をしていた ( 兎耳山以外 )




兎耳山 丁子
オレも食べるの好きだよー
兎耳山 丁子
オレはカレーが好き!
梅ちゃんは?
梅宮 一
オレはオムライスだな!
でも食べるものっつーより
梅宮 一
こうやって皆でワイワイしながら食べることが好きなんだよ。
色んな話したりバカ笑いしたり嫌なことがあってもどーでも良くなる。
その時間が何よりも楽しみだ
梅宮 一
だからオレ今もめっちゃ楽しいよ
そんでそれはオレがてっぺんだっつーこととなんの関係もない
兎耳山 丁子
…やっぱりそうだよね
なんで気付けなかったんだろ
梅宮 一
そりゃ人間呼吸する時に酸素ありがてぇとはならんだろ。
それだけお前にとって楽しいってことが当たり前なくらいそばにあったってことだろ
梅宮 一
なくなる前に気付いてよかったなぁ
梅宮 一
本当に…よかった


兎耳山 丁子
もう1つ聞いていい?
梅宮 一
ん?
兎耳山 丁子
それをわかっててなんでてっぺんになったの?


梅宮さんはニッと笑い兎耳山のお皿に焼き鳥を置いた




梅宮 一
ずーっと楽しく飯が食いたいから!
皆が幸せで笑っていてくれればオレは楽しく飯が食える。そのためにオレが出来ることを考えた時、それが風鈴のてっぺんだった、それだけだ
梅宮 一
てっぺんになってやりたいことがあっただけ。
他に方法があったらそっちをやってたかもしれないけど、もしそうだったらお前らと飯は食えてないな
あなた
( .......私もこの人がいなかったらここにいなかった。それにこの場にもきっといなかった )

兎耳山 丁子
梅ちゃんは凄いなー
ちゃんと自分のことわかってててっぺんになってる
梅宮 一
いやいやなってるんじゃない、
ならせてもらってんだ
梅宮 一
てっぺんは一人じゃなれねーだろ?
桜 遥
!!
梅宮 一
てっぺんになれたのはみんなが担いでくれたからだ。オレのやりたい事に共感して協力してくれたから…だからオレてっぺんになった時思ったんだ
梅宮 一
オレの願いは俺だけの願いじゃなくなったんだって
梅宮 一
だからこそその願いを叶えるために、どんな困難にも理不尽にも不条理にだってオレは…絶対、負けない


兎耳山 丁子
.......梅ちゃんは何もかも背負ってるんだね

兎耳山 丁子
あーぁ、オレの拳は軽いわけだ
勝てっこないや


たくさんのものを背負ってる…




あの時の背中.......今でも鮮明に思い出す…





やっぱり風鈴に来てよかった











話も終わり、買ったものも食べ終わるとゴミを纏めた




十亀 条
それ貰うよ
あなた
ありがとうございます



ゴミ袋を渡そうと手を出すと私の手にそっと手を添えた




あなた
え?
十亀 条
あのさぁ、今度…どっか行かない?
あなた
え?

まさかの誘いに固まった…




蘇枋 隼飛
はいはい、ストップ
蘇枋 隼飛
あなたちゃんはオレとデートするので
あなた
え!?
十亀 条
本人驚いてるけどぉ…?

梅宮 一
んもー、取り合わないの!
梅宮 一
間でオレでいいだろ
あなた
は!?///
梅宮 一
よし、んじゃあ下まで行くぞー

スッ…

あなた
!!!


まさかの梅宮さんの手繋ぎに私はドキドキした ///



い、今……手を繋いでいる…//////



あなた
( ゔぅ゙ッ/// 心臓飛び出そう /// )




下に降りると手は離された





あなた
( 手.......大きかった…ドキドキおさまんない )



梅宮 一
じゃあな!
今度はこっちに遊びに来いよ
ここのメシも美味かったけどうちにも美味いものいっぱいあるぞ
兎耳山 丁子
本当!?

梅宮 一
おうよ!なんかもってくりゃよかったなぁ
梅宮 一
あ!
梅宮 一
サボテンのあんぱん買ったの忘れてた
梅宮 一
食う?冷めても美味いよここのパン
あなた
.......それ冷めてるとかの次元じゃ…
ペッチャンコ…



ちょっと前までドキドキしてたのにポケットから出てきたペッチャンコな哀れなパンを見て平常心を取り戻した…



可哀想なパン……



兎耳山 丁子
兎耳山 丁子
ありがとう
梅宮 一
ん、今度は焼きたてをな

梅宮 一
またなー!


桜君が軽く頭を動かすと十亀はそれに反応した



私は二人に手を振った






















ポトスが見えようとした頃




︎︎
おかえりなさい!
梅宮 一
なんだ笹城ずっと待ってたのか!?
︎︎
あ、あの…
梅宮 一
任せとけって言ったろ
全部終わったよ
︎︎
本当に本当にありがとうございました





梅宮さんは笹城君の頭をポンポンとした



その大きな手に安心したのか涙を流した







きっと.......笹城君はこの大きな手を忘れないだろうな…



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