瀬名side
俺専属のメイク担当が最近ついた。
最初の印象は地味な女。
まぁ、俺のおかげで今は垢抜けてちょっとはマシになったとは思うんだけど。
今まで担当とか居なかったから
モデルの仕事の時とかライブ前とかにメイクする人は大体
瀬名くんのファンなんです〜とか
この後飲みに行きませんか︎💕︎︎とか言ってきて
チョ〜うざい奴らばっかりだったから、
ちょっとだけ事務所にチクったら
このちんちくりんな女が俺の専属になった。
最初この女は俺に
とっても綺麗な方ですね...!! って言ってきて
コイツも今までの奴らと同じなんだと思った。
俺はメイク中一言も話さなかった。
そして彼女も何も話さなかった。
そう言うと即座に楽屋から立ち去った。
...は?
断じて欲しいとも思ってないし、
俺に寄り付かない女なんて今まで居ない(多分)から
この状況がおかしすぎて無理なんだけど。
女は楽屋から出ていった。
は、振られたみたいになってない...?
俺は机を思いっきり叩き、
これが俺とあいつの出会い。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!