14話
杉元 誰だ。こいつは。
音葉 鈴川聖弘という結婚詐欺師だ。
土方 変装の名人でね。網走で知り合った。
杉元 網走で？
ﾊﾞｻｯ
杉元 てめぇ、隠してたのか。
土方 全ての情報を共有するといった覚えはないぞ。
牛山 じいさん、俺にまで黙ってたのか。
土方 なーに。網走に行く途中で呼ぶつもりだったまでだ。
牛山 食えないジジイどもだ。
ぺちっ
牛山 第7師団の嬢ちゃん、？
音葉 ジジイとか言うな。可哀想だろ？あと、嬢ちゃんじゃねぇ。坊っちゃんだ。
牛山 でも、、。
音葉 でも、。
尾形 たかが、結婚詐欺師に何が出来るんだ？
鈴川 詐欺師は頭を使う。暴力で人から何かを奪うような、野蛮な脱獄囚と一緒にしないでもらいたいね。それでどうしろっていうんだ？
音葉 （野蛮とか、言うなよ、。）
土方 第7師団から白石を助け出す。白石が第7師団の兵営のどこにいるのか中に潜入して探らなければ分からない。
杉元 立日さんは軍曹じゃなかった？
音葉 僕は、無理なんです。軍曹だからこそ。
杉元 関係者だから？
立日 そうだな。
鈴川 関係者になりすますか。
永倉 カムイコタンでの一件で警戒してるはずだから、よほどの関係者じゃない限り簡単に教えはしまい。
杉元 東京の師団の上級将校とかは？
音葉 いや、師団は上に行けば行くほど横の繋がりが強くなる。だから、架空の上級将校はバレる。だから、犬童典獄はいいんじゃない？色的に似てるし。
尾形 第7師団に網走監獄の典獄と親しい人間がいる可能性は低いがよほど似ていないとすぐにバレますよ？
音葉 犬童は厳格で潔癖だけど性格は良くないからね〜。その心の歪みが顔に出てるんですよ。
杉元 確かに性格って顔に出るよな。ヒグマもキツネっぽい顔つきして睨んでくるのは気性の荒いヒグマだって、、。そうなんだよね、アシリパさん。
アシリパ すぅすぅ、、。
音葉 おねむの時間だね、。
鈴川 ふむふむふむ、、これでどうかな？
家永、牛山 あ、、。
永倉 おお、、。
杉元 で、網走監獄の典獄に化けて第7師団相手にどうしようってんだ？
鈴川 そう焦るな。俺に考えがある。
土方 あとは、任せよう。
アシリパ すっすー、、。
ー抱き上げる。
土方 やれやれ、この子は大物だ。
杉元 ん？、、、あ。
土方 どうした？
ー杉元が抱き上げる。
杉元 思い出したよ。あの時、ニシン番屋に現れたジジイはあんただな？白石はあんたたちと内通していたのか？
キロランケ 白石が内通？
杉元 ああ。そうだとすれば、結構前からだ。
キロランケ 白石はカムイコタンで俺の手を掴もうとする時、確かに躊躇した。
永倉 この状況なら、もう過ぎたことでは？
杉元 ってことは認めるんだな？
音葉 もう、いいだろ。やめようぜ。ねむっ。
土方 敵も味方もない中で必要なのはただ情報だ。
キロランケ バレたらお前に殺されるとでも思ったんだろ。奴の考えそうなことだ。
尾形 どうするんだ？それでも、まだ助けるのか？助けた上で殺すのか。
音葉 尾形、。ねみぃ、。寝る。すぅすぅ
尾形 立日軍曹、。
ー抱っこ。
杉元 一度でも裏切ったやつは何度でも裏切る
アシリパ 杉元。殺さなくて済む人間は殺すな。
14話終了