翌日、
一時静まった遊郭が再び賑わい出す、夜。
ときと屋の中では、遊女たちが忙しく動き回っている。
その中に、炭子はいた。
遊女「炭子ちゃん!よく働いてくれたねぇ。もう休んでいいよ〜。」
炭治郎が一人考え事をしながら部屋に戻ると。
ムキムキねずみ「ムキッ!」
「ムキムキッ、ムキィッ!」
ねずみは、何やら手紙を差し出す。
─今夜丑三つ時、店の上にて報告を致します
多忙なのは承知していますが、重要なこと故どうか頼みます 紫苑──
炭治郎が屋根の上で待機していると、音もなく紫苑が現れた。
紫苑は二、三本向こうの通りの大きな店を指さして言う。
炭治郎は鯉夏花魁から聞いた話を伝える。
伝えたかったこととちょっとズレたところに食いついて、それでいて真面目に驚く紫苑に、炭治郎は面食らってしまう。
ベンベンベン べべべン ベベベベンッ!!!
京極屋…激しい琵琶の音が屋根上まで聞こえてくる。
紫苑がそっと窓から中を覗くと。
…怒りのあまり、なのか、凄まじい表情の善子。
紫苑は窓に口を近づけて、小声でつぶやく。
遊女「あら?どうしたの善子ちゃん?」
遊女「疲れちゃったのね。今日はもう大丈夫よ。ゆっくり休んでね。」
紫苑は炭治郎に伝えたことと同じことを善逸にも話す。
タンッと音をたてて荻本屋の屋根に飛び移り、紫苑は伊之助の姿を探す。
きょろきょろしていると、視界の端に水色の着物が映る。
鼻ちょうちんをつくって寝ていた。
服をぎゅうぎゅうと引っ張って駄々をこねる伊之助。
それを見ていた紫苑は、思わず笑いがこみ上げる。
間髪入れずに伊之助が言う。
紫苑と宇髄は、煌びやかに光り賑わう大通り沿いの屋根上で合流した。
宇髄は一瞬悔しさに顔を歪めるものの、すぐに真顔になる。
宇髄に話しながらも、紫苑は頭の中では別のことを考えていた。
嫌な想像をしてしまい体を震わせる紫苑。
前回から4ヶ月空いたってマジですか…?(マジ)
現実で忙しくて忘れてて(←言い訳)
これからは定期的に(不定期だけど)書いてく予定です!これは嘘にはしません(((
空いてた期間フォローとお気に入りめっちゃ増えててびっくり👀ありがとうございます!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。