第5話

告白の手前
128
2018/08/15 09:35
どういうわけだか知らないけれど、俺と麻里香とお互いの親でショッピングモールに来た。
晴翔ママ
じゃあ、一回解散ね。
晴翔、麻里香ちゃん頼んだよ。
晴翔
は?麻里香と回るの?
麻里香
え、先輩と回るんですか!
お互いの親がにこにこしながら頷いてたので、これはどうにもならないと思って素早く諦めた。
それから俺は麻里香と回った。
麻里香
先輩もうこうなったらお願いがあるので叶えてもらっていいですか。
晴翔
は、めんどくさいよ。
麻里香
聞く前からめんどくさいなんて言わないでくださいよ!ひどいです。
麻里香は顔をぷくっとさせた。
晴翔
ごめん、なに?
麻里香
あの、彼氏のフリをしてください。
晴翔
は?!無理無理。
麻里香
高校に入るのちょっと怖いんです。
先輩が彼氏になってくれたら、麻里香高校頑張れる気がするんです。
晴翔
好きじゃない奴と付き合うフリとかできないよ。
麻里香の表情が暗くなった。
麻里香
麻里香の事好きじゃないんですか。
晴翔
…え、いや。
数秒ほど沈黙が続くと麻里香が言った。
麻里香
先輩!嘘です!
晴翔
は?!
麻里香
ビックリしちゃいました?
麻里香
でも、多分麻里香は、先輩のこと好きになっちゃいます!
これは、告白の手前です!
麻里香
だから今日は手を繋いでください!
そう言って俺になにも言わせず、手を繋いできた。
生意気、だけど少し可愛い。そう思えた今日だった。

プリ小説オーディオドラマ