いつも通り、1人で登校する。
殆どの人は、“誰か”と登校している。
大抵は話し声で五月蝿い。
だけど今日は
やけに騒がしい。
いつも以上に人口密度の高い廊下をどうにか通り抜ける。
やっとのことで抜けると、ようやく視界が晴れた。
“1-A“
俺のクラス。
この扉を開くのはもう慣れた。
開けばすぐに彼奴等が寄って来る。
そして、今日の指示をする。
…金欠だからパシリはやだなぁ、、、
そんな事を思っても逃げ道はないので扉を開ける。
…あれ、、、?
…来ない、、、?
不思議に思っていると、
クラスメイトの話が耳に入ってきた。
転校生、、、か、。
なんだよ、彼奴等転校生如きで俺のこと放っとくなら別にいいじゃん。
…久々に暇な朝。
この騒がしい学校でも静かな朝として捉えてしまう。
その瞬間、真っ先に手を挙げた奴がいた。
質問は勿論、
来ないのか、、、
まぁ、来たところで俺の生活が変わるわけじゃない。
多分、朝礼終わったら呼ばれるかな、
授業準備だけしとこ、。
…1限目体育、、、?
…最悪だぁ、
朝礼が終わると案の定、
虐めグループの主犯、有済二否が寄ってきた。
俺は頷くことしかできない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。