第44話

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2018/08/05 08:12

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「……目ぇ覚めた?笑」




ぼんやりと覚醒していく中




私の目に見えてきたのは




「……ジョングク?」




片腕を枕にして




目の前で爽やかな笑顔を私に向けてる、けど……。




「……夢?」


「あなた寝ぼけてんの?笑」




夢じゃ、ないの……?




「ん……おはよう?」


「うん、おはよう。笑」




夢じゃ、ない………。




夢じゃない………?




「……えっ!?」




飛び起きようとしたら




知らないうちに回ってた腕に
押さえ付けられた。




「あなた、朝いつもこんななの?
面白いんだけど。笑」


「っ、」




それとなく私を抱き寄せながら、
可笑しそうに笑ってるジョングク。




……普通に、可愛いんですけど。




ていうか恥ずかしい………。




寝顔見られてたって事だよね?




口開けて、間抜け面とか……。




「寝顔可愛かったから安心していいよ。笑」




……よかった。




じゃなくて、




「起きたなら起こしてよ……」


「だってあなた気持ち良さそうに寝てたし、
昨夜散々無理させたから起こすのもどうかと
思って。笑」




……そうだった。




最終的に疲れて寝落ちした気がする……。




「……ごめん、」


「なんで?」


「先に寝ちゃったでしょ?私、」


「あなたの寝顔が見れたから全然平気。
途中で寝落ちしたとか気にしてないし。笑」


「え……」




途中で……?




私、最低じゃない……?




「……冗談だよ。笑」


「えっ」




冗談……?




「やめてよもう……っ」


「ごめんて。笑」




……ていうか、朝からよく笑ってる。




これ、素なのかな。




「朝目が覚めて、隣に誰かがいるの
いいなと思ったら嬉しくて。笑」


「……何言ってんの、」




照れくさい反面、




いつもは終わったら“はいさようなら”、
だったのかなって思ったら




少しだけ胸が痛くなった。




「……これからも、朝までいてよ」




だけど、そう言って抱き締めてくれるから。




「うん……いるよ」




思わずそう言っちゃった。




だって、嬉しいでしょ?




好きな人に、そう言ってもらえるのって。




「……ジョングク?」


「なに?」


「……なんでもない」


「なんだよ。笑」





ジョングクはふっと笑うと






おでこにちゅ、っと可愛いキスをくれた。





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