『へ?』
突然空気がガラリと変わり、私の頭には
はてなマークが沢山浮かんでいた。
道枝「もう1回言います。北斗くんと別れてくれません?」
あ、夢じゃないわ。
というか唐突過ぎて追いつけない!
『 いや、なななんで?』
カタコトになりながらも精一杯質問すると
道枝「……俺、先輩の事が心配なんです………」
『……心配?』
道枝「俺、知ってるんですよ?」
道枝「先輩が北斗くんから冷たくあしらわれてるのも、距離があるのも、冷めきってるのも。」
『いやまぁ、確かに、そうだけど………』
道枝「なら、別れた方が良くないですか?」
『私も思ってるけど!さ、どうしたらいいのやら……』
道枝「普通に断るんですよ!
自分をもっと大切にしてくれる人の方が俺は良いと思いますけど?」
『な、なるほど……』
道枝くんの熱弁もあるが、
私の奥底に溜まってある不安が 一気に解き放たれた気がした。
道枝「寂しくないんですか?別れたらスッキリしますよ!」
ウルウルな目で心配されて、私はそれに押されながらも
『………だよね。うん。決心ついたよ!ありがとう!』
とうとう私は決めたのだ。
北斗くんと別れることを。
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松村side
田中「北斗ー、お前って彼女いんの?笑」
髙地「あ、それ俺も気になる」
松村「俺に出来るわけねーだろ笑!」
田中「だよな!俺より先に出来るなんて100年早いわ」
高地「いや、樹はなんだかんだ言って出来なさそう」
田中「コーチ!黙れ!!」
高地「ひど笑笑笑」
メンバーにまで隠しているのだから、親も周りも誰も知らない彼女の存在。
俺だけの存在。
始まりはジャニーズに入ってすぐの時期に、一目惚れをした時から始まった。
こんな可愛い人は初めて見たし、知らない俺の一面に自分でも鳥肌が立った。
周りの奴らを蹴落として手に入れたんだ、絶対に離さないつもりだし、独り占めしたい。
だけど、俺の愛とは裏腹に、あなたに対して冷たくなっていった。
そして
森本「お前ずりぃーぞ!!」
田中「こんな可愛い彼女いたって隠してさ!」
京本「今からでも俺の彼女にならない?」
『…………』
存在を知られてしまったんだ。
あなたが他の男に行ったらどうしよう、と焦ったが
こいつらだしいっか。
そう、ここまでは良かったんだ。
突然あなたから数件のLINEが来て、雰囲気から見るに男と1対1。
ダメだ。ダメ。俺のあなたなのに他の男と行かせるわけない。
その時焦っていたのか、俺は紛らわせる様な言葉で返信をしてしまった。
あの時本当に力ずくでも止めていればよかった、
あなたは知らない男と一緒に行くことになってしまった
あなたのスマホにこっそり埋め込んだGPSと録画機を頼りに俺は無我夢中で走った
・
・
・
ダンッ!!!!
気が付くと、知らない店の机を思いっきり叩いていて、
自分ではどんな顔をしているのかは見えないが、
怖い顔をしている事ぐらい分かる。
目の前には驚いているあなたと
みっちーがいた。
本気でとられるかも、
奥底で良心と理性が戦っていたが
どんなに可愛い後輩でも、あなたに手を出すのは容赦しない
戸惑いつつもあなたを帰らせ、落ち着けない状態の中、道枝に忠告をすると
道枝「本気で行かせて貰います」
なんだよ。それ
宣戦布告をされてしまった。
あなたは俺のものなのに
あなたは愛おしくてたまらないのに
あなたが居ないと俺ダメだ、
そこらのお前らみたいな奴に渡してたまるか
あぁ、俺って、愛が重すぎるんだな
いつかあなたを壊すかも。
壊したいぐらいに好きだ。
この時俺は、別れの時期がすぐそこにあるとも思わなかった。
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久しぶりの更新お待たせしました✨
他の小説もサボってしまい楽しみにしてくれている方に申し訳ないです😭
久しぶりすぎて話が少しおかしくなりました(?)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。