夢を見た
暗くて醜くて悪夢の夢
周りが真っ暗で何も見えない
“感覚”を使い前へと進んでいく
上手く使えなく痛々しかったものが使えている
微かに泣きそうな震えそうな声が響く
目の間には大きな扉
中を見ようと思ったが
少しだけ開いていた
申し訳ない気持ちを半分に好奇心で中を覗いた
バシツ
机らしき物を叩く音が聞こえた
音と共に体がはねる
声が聞きなれていた
嫌, 聞きたくもなかった声だ
止めた方が良いのか
止めない方が良いのか
分からなかった
釘を刺すような言葉が真ん中にいる男の子に刺さる
無言の男の子に
そう
何も喋らない男の子に怒鳴りつけていた
怒りが頂点に達した
込み上げてくる怒り
思っいきり扉を開けようと考えたその時__
タッタッドン
男の子が飛び出してきた
尻もちをついてしまう
良く見えなかったが
“そっくり”さんだった
気づきもしなく真っ直ぐに真っ直ぐに走っていた
立ち上がろうとした時
ズッキン
これまで無かった痛みがはしった
扉が勢い良く閉ざされた
キィー
唯一灯されてた光がなくなっていく
本当に真っ暗になっていった
キツイキツイ匂いがただよう
苦手な匂いだ
何かを刺激するように痛い, 痛む, 痛い
呼吸が荒くなる
脈がはやくなる
傷口がさっきよりも痛む
声が出なくなる
金縛りが起こって“手も足も出なかった”
誰かが触れようとするのが分かった
それと共に静電気がはしった
バチッ
確かに
さっき“味わった夢”とは色や幅と色々と違う
“覚めれたのだろうか?”
時々呼吸が可笑しくなる
食べたんじゃない“吸ったんだ”
変な匂いな息苦しい匂いを
パシッと使える手を使って受け止める
念を添えたのかは分からないが説明をし部屋から出ていった
棚の上には袋も置いてあった
服を入れてという事だろう
さっきの事を冷静に考えながら体をふく
傷口はあまり触れないようにそっとそっと
震えてるせいかふきにくかった
ノートでもあると良いのにと考えを出してまとめて
出してまとめてまた整理して
順序良く整えていった
体をふき終えると用意してあった服を着る
着る
着る
着たんだが__
そうブカブカである
もう一度言おう
ブカブカなのである
ドアを勢い良く開ける
ダン!!!
直ぐに愚痴を言う
痛む傷を我慢し
はやい脈を堪え
震えも我慢する
呼吸さえも堪える
声が高くなっている
確信犯なのだろうか
先程の怒りと共にこれもまた頂点にきた
子供になる伊波を前に達しない訳がなかった
眠気は襲ってはこなかった
進んでいく廊下を見渡しながら変わってないなと感じる
歩いてないせいかつくのが早かった
ガチャ
>お帰り
>いぇ~いみってるぅ?
>お帰りー
>お疲れさん
>大丈夫だった?
流れるコメントと共に声が聞こえる
>お?
>あぁあ………
>ァァァァァァ!!
>てぇてぇ
>てぇ…て…………
>うぐっ
>切り抜け!!!!
声の温もりは夢の意味を理解していた
ゆっくりと色んなとことかをなおせたら良かった
痛いものは痛いし難しい所は難しい
だから頑張って“誤魔化そう”
疑うような目を向けてくる彼
リスナーも皆もそのやり取りをじっと眺めてる
コメントがみるみる遅くなる
いずれは“無くなる”
耳に届く声で呟いた__
誰が?
彼が
>草
>ワロタ
>テンポエグいて
気持ちを落ち着かせるだけで良い
そう
これなら出来るばすだ
だから
だから
“勘が良いお前らは気づかないでくれ”
𝕟𝕖𝕩𝕥↪
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。