かもめ視点
え?
急ににょきおが泣き出した。
そう言いながら見たのは
なろぴたちの方だった。
皆の顔がサッと青ざめた。
少しにょきおが落ち着いたあと、病院に行った。
検査の結果。
にょきおは数年前の記憶を思い出した。
しかし、ここ2年程の記憶は頭の中からすっかり、抜けたままらしい。
俺は分かった。
きみゆめの記憶だけ思い出している…
俺は診断書をボーッと見ていた。
病院の帰り。
そらちゃんはにょきおに背を向けて泣いていた。だから、俺は泣かないように頑張って堪えたけど無理だった。
本当は喜ぶべきなんだろう。
助かる可能性も意識が戻る可能性もものすごく低いのに今では日常生活が送れて一部だけど記憶が戻って、
普通に考えたら奇跡なんだ。
でも、
喜びたくない。
にょきおが家の前でこう言った。
なんか言わなきゃって思ったけど口が動かなかった。
バタンッ
目の前で扉が閉まった。
中から泣き声が聞こえた。
そらちゃんが走って行ってしまった。
俺も帰ろう…
ぼちぼち歩いていると、なんか濡れた。涙だと気づくのに時間がかかった。
パラパラ
本当に雨?
今日、雨降るって予報であって、傘持ってきて…
忘れた。
にょきおの家に。
一瞬このまま帰ろうかと思った。
にょきおに会いたくなかった。
いや、でも
行かなくちゃ。
ピンポーン
返事が
帰ってこなかった。
にょきおの声が聞こえた。
後ろから
振り向くと手提げ袋を持ったにょきおがいた。
数秒黙ってしまった。
「はい、そうです…」
こんな感じの答えが返ってくるんじゃないかなって思ってた。
そう言いながら手提げ袋を後ろに隠した。
「怪しい」と感じた。
少々強めな口調で聞く。
つい、感情が高ぶって手提げ袋をひったくってしまった。
お互いに引っ張りあったから中身が飛び出た。
「にょきお!ごめん!」
と言おうとした。
言えなかった。
小瓶に入った
大量の
薬。
息が止まった。
風邪薬
でも、にょきおは風邪をひいていない。
つまり…
「自殺」
不穏な2文字が脳裏を過ぎる。
雨が本降りになってきた。
泣いているにょきおを見ていた。
俺はどうしたらいいんだろう。
投稿全然しなくて本当にすみません!
明日か明後日に「お知らせ」
を投稿するので見てください。
色々伝えたいことがあります。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。