第3話

いつも
2,850
2019/04/18 14:14
来栖蓮
来栖蓮
天童せーーんぱいっ!
天童覚
天童覚
うわ!びっくりしたどーしたの蓮チャン
来栖蓮
来栖蓮
そろそろ気変わりますか?
天童覚
天童覚
変わりません
毎日の日課のようなやりとり。男子バレー部にはもう呆れられている。
白布賢二郎
白布賢二郎
撃沈
来栖蓮
来栖蓮
うるさい!
事の発端は入学してすぐの日だった
バレーボールを見るのが大好きで、幼馴染の賢二郎がずっとやってるのを見てきたから、必死に勉強して、白鳥沢学園に入学した。そして、晴れてバレーボール部のマネージャーになった。
初めて見た彼のブロックに惚れた
練習終わりに声をかけてみたのが全ての始まり。
来栖蓮
来栖蓮
天童先輩??
天童覚
天童覚
えーっと、来栖チャン?
来栖蓮
来栖蓮
そーです!めちゃくちゃかっこよかったです!
天童覚
天童覚
ありがとネ
これが記念すべき初会話
それから毎日毎日毎日彼のブロックを目で追いかけて一ヶ月が経った。まだ2年生だった天童先輩は牛島先輩と一緒にレギュラーをとった。
来栖蓮
来栖蓮
天童先輩かっこよすぎますっ!
天童覚
天童覚
あはは、来栖チャンはいっつも褒めてくれるけど俺のこと好きなのカナ?
いつもの帰り道、明日から大会が始まる大事な時。冗談っぽく言ってきた天童先輩の言葉がすとんと胸に落ちた。
来栖蓮
来栖蓮
……はい
天童覚
天童覚
え?
来栖蓮
来栖蓮
お疲れ様でした
家の方向がギリギリまで同じだから一緒に帰れるだけで幸せで、心がこんなに満たされる。あ、好きなんだ。私は天童先輩のことが。
いつもより少しトーンの落ちた声でいつもより早めに一緒にいることを切り上げた。
白布賢二郎
白布賢二郎
…い、おい
来栖蓮
来栖蓮
へ?
白布賢二郎
白布賢二郎
何突っ立てんだよ
来栖蓮
来栖蓮
ああ、ごめん
白布賢二郎
白布賢二郎
ごめんじゃくてさ、笑
来栖蓮
来栖蓮
あれ、居残り練は?
白布賢二郎
白布賢二郎
さっき終わった。追いつけるかなって思って走ったらお前が突っ立ってるから
来栖蓮
来栖蓮
あ、ああそっか
そのままゆっくり歩き出して隣に賢二郎が並ぶ
白布賢二郎
白布賢二郎
なんかあったの
来栖蓮
来栖蓮
なななななんもないよ?
白布賢二郎
白布賢二郎
絶対なんかあったやつの反応だから
来栖蓮
来栖蓮
バイバイっ!!!
逃げるように家に入る。親はいつも夜まで帰ってこない。電気の付いてない部屋の中で、1人、深呼吸する。
来栖蓮
来栖蓮
やば。
どこに向かうわけでもない音が1人宙を彷徨って消えた。
次の日の試合天童先輩は絶好調だった。
来栖蓮
来栖蓮
天童先輩めちゃくちゃかっこよかったです!!絶好調でしたね!!!
天童覚
天童覚
ありがと来栖チャン声枯れてるヨ
来栖蓮
来栖蓮
もうなんかすごくって!
天童覚
天童覚
はいはい
荷物を取りに行って戻ってきた先輩と一緒に帰り道を歩く。賢二郎は牛島先輩を家まで送るそうだ。
来栖蓮
来栖蓮
天童先輩好きです
天童覚
天童覚
いや、え?
来栖蓮
来栖蓮
付き合ってください
天童覚
天童覚
ごめんなさい
来栖蓮
来栖蓮
即答ですか!?はやすぎますよ!
天童覚
天童覚
いや、でも、うん。ごめんなさい
来栖蓮
来栖蓮
もう少し考えてくれたっていいじゃないですかー!!え???なんでですか??
天童覚
天童覚
来栖チャンのことそういう風にみたことないし…
来栖蓮
来栖蓮
じゃあそういう風にみてください
天童覚
天童覚
人をそういう風に見たことがないし、これから先も考えられない
来栖蓮
来栖蓮
そんなのわからないじゃないですか!
天童覚
天童覚
うーん笑
来栖蓮
来栖蓮
笑ってなんですか!じゃあ天童先輩蓮って呼んでください
天童覚
天童覚
蓮チャン
来栖蓮
来栖蓮
それはあっさりできるんですね?!なんなんですかもう
天童覚
天童覚
こっちのセリフだよ
来栖蓮
来栖蓮
私諦めないですからね?!
天童覚
天童覚
えー?
来栖蓮
来栖蓮
それじゃあ、お疲れ様でした!
そうして曲がり角を曲がった先に牛島先輩を送り届けた賢二郎がいた。
白布賢二郎
白布賢二郎
何今の
来栖蓮
来栖蓮
みてたの?
白布賢二郎
白布賢二郎
聞こえたの。
来栖蓮
来栖蓮
聞いたまんまだよ
白布賢二郎
白布賢二郎
好きなの?天童さんのこと
来栖蓮
来栖蓮
大好き
これが私の日課の始まり
次の日の練習
来栖蓮
来栖蓮
天童先輩付き合ってくださーい💕
天童覚
天童覚
ごめんなさーい💕
来栖蓮
来栖蓮
ハート飛ばさないでくださいよ
天童覚
天童覚
飛んできたやつを返しただけですー
天童覚
天童覚
あ、若利クンだ
逃げるように牛島先輩に走っていった天童先輩。これから長期戦になりそうな予感。
それから1年が経った

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