第5話

#4
24
2024/05/17 21:47







その日から死神さんは必ず窓からやってきた


死神
死神
こんにちは

ころん
ころん
こんにちは、死神って暇なんだね
言われてから本当に毎日来るなんて

死神
死神
そんな事ないです。これも仕事なので






どうやら死神さんは、あの日僕が言った


話し相手になって欲しいという言葉を


律儀に守るために、こうやって毎日来てくれる



ころん
ころん
今日は何か面白いことあった?

死神
死神
いや、特にないです


冷たいなこの人


僕は小さくため息をついた


ころん
ころん
つまんない

死神
死神
そういうあなたは願い事決まりましたか?

ころん
ころん
、、、まだ


僕の返答に死神さんはため息を吐く
ころん
ころん
何だよ、ため息なんかついちゃって
あ、もしかしてさっさと願い事を決めたら
その時点で魂を持って行ってくれるとか?

死神
死神
別にそういう訳じゃないです
ただ、なるべく早く願い事を叶えておかないと
叶える前にその日が来たら困るので

ころん
ころん
ふーん?ねえ、もし願い事を叶え終わる前に
魂を取る日が来たらどうするの?

死神
死神
どうにもならない
僕らはそんなことのないようにきちんと
その日が来るまでに願いを叶える

ころん
ころん
 もし、叶え終わってなかったら?

死神
死神
それは、有り得ないです

ころん
ころん
あっそ

死神
死神
、、、、、、

ころん
ころん
、、、、、、



僕はそっと視線を死神さんに向けた


フードを目深に被っているせいで


顔を見る事ができず


いったい何を考えているかも分からない


死神
死神
どうかしましたか?


僕の視線に気づいたのか死神さんが口を開いた
ころん
ころん
何でもない、気分が悪いからもう休む

死神
死神
そうですか
じゃあ今日は帰ります


死神さんがそう言うと窓の開く音がした

ころん
ころん
え?!

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