エリートと言う言葉が嫌いだ
「エリート=期待」
というレッテルを貼られる
ミスをすれば責められ、
成功すればまた重荷が積み重なる
いつしか上司の仕事も任されるようになっていた
期待の裏腹に詰まった負の感情が溜まり続ける
思っていても相手に伝えることが
出来ないのが俺の欠点だ
大切な人にすら俺は本心を伝えられない
生きることが憂鬱だった
やりたくないことをやらされ、
挙句の果てにはミスをすれば失望される
涙を溜め、日課になっている日記を書く
これが俺の唯一の救いだった
最近よく思うようになった
生きるよりも死ぬほうが幸せなのではないか
ふと思えば俺は
住んでいるマンションの最上階に居た
もう身体が限界なんだろう
死ぬことの恐怖心が無かった
まろが死んだ、
マンションの最上階から
身を投げ出したようだった
……手当もすることなく
血でぐちゃぐちゃになったまろを見る
まろの血をメンバーで拭く
本来は本職の方がやる作業だが
どうしてもとお願いした
まろが死んで数週間が経った
俺たちはまろの遺品を整理している
〇月✕日
エリートと言われるのが辛い
どうして俺ばっかりが
辛い思いをしないといけないんだ
〇月✕日
ないこが心配の言葉を掛けてくれた
本当は辛いのに言えなかった
俺って本当に最低だ
〇月✕日
最近死んだ方が
ましなんじゃないかと思うようになった
……死にたいな、
〇月✕日
さようなら
『今日、____で5人の死体が発見されました』
『死因は自殺と推測され✕$〇¥&?%□#…
BADEND____
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。