とうとう高校入学式の日
私よりも挙動不審な父を見てため息が出る
※しに→めっちゃ
普段コテコテのうちなーぐちを話す父のくせに頑張って標準語を話す姿に思わず呆れる
別に兵庫だから関西弁を話さないといけないというルールはないのに
なんとか溶け込もうとし全然溶け込めてない父の姿に不安を覚える
不安が募りながらも沖縄から持ってきた父の車に乗り込み稲荷崎高校へと向かう
沖縄とは全然違う景色を眺めながら物思いにふける
高校へ向かうにつれて段々と不安が募っていく
私は中学の頃からダンスで全国で東京へ行ったりしていたためその時に見かけた関東や関西などの子達を思い出す
沖縄の子達とは顔の系統や雰囲気、喋り方が全く違うのだ
まるで異国の地に来たかのような不思議な気持ちになった時のことを思い出す
なんならここに来てからというもの何回外国人に間違えられたことか
私が感じている違和感をここの人たちも感じるのか妙に珍しいものでも見るかのような視線に少しばかり居心地の悪さを感じる
それに加えて父親譲りのコテコテのうちなーぐちが出てしまうため標準語の勉強しとけばよかったと後悔する
すっかり不安になってしまった私は入試試験以来にみる門が見えてくると思わずため息が溢れた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。