道路に倒れる人間を見て、諄雨は眉をひそめてそう呟く。
倒れている人は動く様子も無い。
そんな思考がふっと諄雨の頭を掠めるが、そんなわけはないとすぐさま正気に戻る。
「あ、自分つまんねぇな」などと思いながら。
諄雨がそう声をかけるも、倒れている人はピクリともしない。
諄雨はそう呟くと、倒れている人を姫抱きし、濡れないように傘をさしつつ家への帰路を急いだ。
諄雨は家に着くなり、玄関で小野を呼んだ。
小野はリビングでそう言いながら、玄関まで小走りで来る。
そして、玄関まで来た瞬間。
諄雨を見て、小野はそう引き気味に言う。
そして、諄雨は小野の言葉にちょっとした疑問の目と笑顔で答える。
呆れ顔で、諄雨の背中を押して戻させようとする小野。
諄雨はいつもの通り、小野に背中を押されつつもそれに抗い提案をする。
諄雨を押す手を離し、小野が心配そうに言う。
諄雨が驚いたように呟く。
諄雨がふと気がついたように、小野に買ってきたものを渡す。
諄雨は小野と共にキッチンへ戻る途中でそう聞く。
小野がキッチンから、リビングで寛いでいる諄雨を呼ぶ。
小野は、リビングの中心に置いてあるコタツと、キッチンのすぐ側にあるダイニングテーブルを見比べる。
そう、コタツに座り暖まっている諄雨は言う。
そう言うと、小野は諄雨の目の前に作ったご飯を置き、諄雨に向かい合う形でコタツに座る。
小野は、そう諄雨の言葉にガチの困惑を示す。
いきなり、コタツよりも玄関に続く廊下側にあるソファに寝かせていた人が起きる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!