ピンポーン。
玄関のインターホンが鳴る。
ぱたぱたと足音を鳴らして、玄関まで小走りで向かう。
ドアを開け、笑顔で人を出迎える。
玄関で待っていた挨拶をしてくれた人に、笑顔で挨拶を返す。
自己紹介を完結にすると、ぺこりとお辞儀をする。
諄雨も笑顔で自己紹介をする。
諄雨は家の中を見せるように手を広げ、家の中に入るように促す。
小野が家の中に入ったことを確認すると、諄雨はドアと鍵を閉める。
諄雨が提案という形でそれを言う。
小野の喋り方が若干砕いたものとなる。
首をかしげ、小野が諄雨にそう言う。
諄雨がいつもと変わらない笑顔で答える。
小野は、納得したようなよく分からないような声を上げる。
諄雨がやや強引に話題を変え、小野がそれに元気よく返事をする。
諄雨と小野は部屋が複数ある2階に上がると、その部屋から1部屋を選んで中に案内した。
目を輝かせている小野に諄雨が心配そうに話しかけ、それを小野が否定する。
ちなみに部屋は8畳程度。
諄雨が安心したように胸を撫で下ろす。
そこから諄雨は1階に降り、リビング、キッチン、トイレ等を案内して行った。
案内も終わった頃。
ふぅ、と息を着く。
小野が諄雨に礼を言う。
諄雨がそう提案する。
小野は提案を受け入れそう言うと、階段をのぼり自室へ戻って行った。
こうして、またひとり住人が増えたのだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。