第53話

43話
1,397
2024/02/12 07:46
あなた
えぇ、……
大倉燁子
大倉燁子
何でも……、じゃろ?ニコオ
あなた
ハイ……
立原道造
立原道造
……うちの副長が済みませんッ……
私にこそっと耳打ちしてくる男性。
その言葉を聞いた私は、少しばかり微笑みながら返事をした。
あなた
気遣い有り難う御座います
立原道造
立原道造
いえいえ……、/
大倉燁子
大倉燁子
立原!儂のあなたの下の名前じゃ!
大倉燁子
大倉燁子
指一本でも触れてみろ!殺してやる!
立原道造
立原道造
冗談に聞こえねぇっす!
そんな会話を聞いていると、一本の電話が掛かる。
あなた
もしもし
宮沢賢治
宮沢賢治
『あ!あなたの下の名前さんですか!』
あなた
うん
宮沢賢治
宮沢賢治
『幾ら探しても、猫が見つからなくて……』
あなた
それなら見つけたよ
宮沢賢治
宮沢賢治
『本当ですか!?』
その瞬間、私が抱き上げていた猫は賢治くんの声に返事をするように、にゃぁと鳴いた。
宮沢賢治
宮沢賢治
『僕が迎えに行くので場所を教えてください!』
あなた
判った
あなた
えっと、
私は辺りを見渡しながら、賢治くんに場所を伝えると、元気に返事をし、通話は切られた。
大倉燁子
大倉燁子
あなたの下の名前!未だか!
あなた
少しばかり、待ってください
大倉燁子
大倉燁子
後で、肩車せよ!
立原道造
立原道造
燁子さん、肩車なら俺が……
大倉燁子
大倉燁子
黙れ立原
大倉燁子
大倉燁子
儂はあなたの下の名前に頼んでおるのじゃ
立原道造
立原道造
はい……
あなた
あ、待ってッ!
私が携帯をポケットにしまおうとした瞬間、腕が緩んでしまい、猫が走り出した。
大倉燁子
大倉燁子
あなたの下の名前ッ!
立原道造
立原道造
トラックがッ!
私は猫に夢中になりすぎたせいか、何時の間にか車道に飛び出してしまい、顔を上げたすぐ其処には信号無視をしたトラックが見える。
あなた
死ッ……
何も出来ずに、眼を瞑ったが一向に痛みが来なかった。
あなた
……ッ?
条野採菊
条野採菊
お怪我は?
あなた
条野さん!?
眼を開けると、私は条野さんに姫抱きをされ、信号無視のトラックは末広さんの手によって止められていた。
……素手でッ!?
条野採菊
条野採菊
鐵腸さん、少しばかり強引過ぎです
末広鐵腸
末広鐵腸
む、そうか?
末広鐵腸
末広鐵腸
あのままだとあなたの下の名前が轢かれていたぞ
条野採菊
条野採菊
限度というものがあるんです!
条野採菊
条野採菊
ハア、今直ぐ死んでほしい!
私は条野さんの胸板を軽く叩くと、顔を背けながら呟く。
あなた
そろそろ下ろしてもらっても……?
条野採菊
条野採菊
……あなたの下の名前さん、照れてるんですか?
あなた
……
条野採菊
条野採菊
心臓の鼓動が早いですよ?
あなた
下ろしてください?
条野採菊
条野採菊
どうなんです?(⌒▽⌒)
明らかに判っている事を改めて聞いてくる条野さんに嫌気が差し、私は頬を平手打ちした。
条野採菊
条野採菊
!?
あなた
下ろせ
条野採菊
条野採菊
……ハイ
大倉燁子
大倉燁子
カカカ!よくやったぞあなたの下の名前!
大倉燁子
大倉燁子
それでこそ、儂のお気に入りだ!
あなた
何時の間に、お気に入りに……
宮沢賢治
宮沢賢治
あなたの下の名前さ〜ん!
あなた
あ、賢治くん
あなた
私、此の後やる事あるから先に戻っててくれる?
宮沢賢治
宮沢賢治
判りました!
賢治くんの笑顔は向日葵のようだった。
長い間、投稿出来ず、すいませんでしたッ!
また次回

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