パーティーの日から3日がたった日…
俺はまだお父様から暴力を受けていた
俺は声なんて出して無い…
しいていうなら…声の出し方を忘れた…
声って…どうやって出すんだっけ…
こんなに…、声を出すのって難しかったっけ…
…3日前までは…普通に喋れていたのが嘘みたい…
でも…これはまだまだ終わらない…
…お父様…楽しんでおらっしゃるから…
鞭が振るわれ、目を閉じる
痛みを感じない…なんで…?
そのかわり違う人の痛み混じり声が聞こえる
俺の代わりに優希が吊るされた…
バシン バシン
優希が…優希が鞭で…
俺は痛みで動けない…
見ているだけなのに…こんなにつらいなんて…
優希に傷ついてほしくない…
いつも…俺のことを支えてくれた優希…
こんな俺のことを…大切にしてくれた優希…
どんなことをしても…笑って許してくれた優希…
今度は…俺が優希を支える番…!
優希を…傷つけちゃ…だめッ…!
俺は立ち上がり、振り上げられる鞭に向かっていく
バシン
俺は崩れ落ちた…体が震えて動けない…
勢いよく振り上げられた腕…
もう…だめ…
俺はここで…消えられるのかな…?
良かった…これで…やっと…消えることが…
誰か…助け…て……
俺は意識を手放した…
あの日から…警察も完全に動き出した…
こっちも完全に証拠は整ってる。
今、迎えに行くからな、長尾
俺は、警察と一緒に中にはいる
ピンポーン
警察の人はズカズカ入り込んでいく
俺も探す
上へ上へと登っていく
なぜだろう…自然に体が動く…
長尾のことを助けたいっていう思いなんやろうな…、きっと…
一つの扉の前に来た
ここや…絶対にここや…
長尾が苦しんでいるところは…
ここや!!
扉を開けると、父親が長尾に向けて鞭を振りかざそうとしているときやった
俺は長尾の父親の胸ぐらをつかむ
初対面だからって関係ない
こんなに長尾のことを苦しめたんや
倒れている長尾のことを指す
俺は父親に向かって拳を振り上げようとした
そして、父親は取り押さえられパトカーに乗って警察署へ連行された
倒れている長尾の元へ行く
体が…熱い…
長尾と優希さんは救急車で運ばれた
全員連行され、俺と警察官が同乗した
救急車の中で必死に長尾に声をかけるが…意識不明…
最悪のパターンを想像してしまった…手が…
病院に到着し、治療室で治療を受けている
俺を心配して大吾くん、恭平、流星くんが来てくれた
俺の執事の優真も俺のそばにずっといてくれた
ふらつきながらも走ってくる
治療室の前で倒れた…
そう言い優真は少し怒りながら、優希さんをおんぶし病室へ向かってった
…優希さんも…精神的に弱ってる…
俺も…こんなところでくよくよしていられない…
そうおもってたら、治療が終わったであろう医師が来た
しばらくして長尾が病室へ運ばれていった
そっと触れると体がとても熱い
…前の…俺が知っている長尾よりも…めちゃくちゃ痩せている…
そう言って別れ、俺も家に帰った
ガチャ…
俺は返事だけし、部屋に戻った
…俺はこんなに長尾のことが心配に…
好きな人やないと…こんなに心配なんてせんわ…
…俺はこんなにも…長尾のことが好きになってたなんて…
また…落ち着いたら告白しよう…
…これから先…何があっても長尾を絶対に離さない
俺はそう、心に誓い、眠りについた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!