第4話

It's clear -澄んでいる-
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2024/01/14 13:48
第4章
『わぁ…、ほんとに…すごく綺麗ね。』
僕達は、街灯が
桜並木のようにみえる街にきた、

そう、この光が降る街に。

流石にこの光景は圧巻で
夜が明けない事に
関心が無くなってしまった
僕でも見惚れてしまうほどの美しさだった。

街道を歩き、そして
灯台に向け僕らは歩き出した。
何故か、灯台に行け、
と僕自身が僕にそう言った気がしたから。


そう、苦笑いで心做しか
少し寂しそうな顔で君は言った。
『こんな光景が四六時中見れるのだったら、
夜が明けないのも悪くないかもね…笑』

「そうだね…でも流石に
ずっと夜は飽きるかな。
だからたまには青い空も見たい。
忘れてしまった空の青さを思い出すんだ。
そして、君とまたこうやって
次は桜並木の道を歩こう。
僕は青く澄み切った空を見ながら
君に"おはよう″って言うんだ。」

今、僕の心に迷いはない。
僕自身が君を想って綴った言葉だ。

迷いもなく僕の心は
空のように青く澄み切っていた。

僕は君の方を見た。

君は泣いていた。ひどく、泣いていた。
そして君は…言った。
『わかった。そうだよね……
ごめんね…なら
私があなたの太陽になるよ。
あなたの夜が明けるように、
私はあなたの光になる。』





君はもう着くまで
あと申し分ない灯台まで走り出した

夜を駆けていたんだ。

そして僕は君に追いつく、
そして僕は君の手をとる。
そして君は言う。


『……もう私自身のお話にも
決着をつけた方がよさそうだね……』

"ハッピーエンドはそれからだよ″

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