前の話
一覧へ
次の話

第15話

最終話
3,259
2023/08/05 07:54
あなたside
あなた
ハァ…ハァ…ハァ……
兎に角走った。
医療室で考えていた。


し太宰さんが居なくなってしまったら。
その答えが今先刻さっき出た。








その前に、太宰さんが居なくなる前に、
私が消えてしまえば……そうすれば………



私は幸せなまま生涯を終わらせることが出来る。
太宰さんに愛されたまま、生きていることを疑わず
幸せに……幸せにすべて終えられる。


あなた
あぁ、なんて素敵な響きなんだろう。
太宰side
いくら探してもあなたが見つからない。
あなたが行きそうな場所。


あなたに思い入れのある場所……




太宰治
判らない。
いくら考えても、どれだけ片っ端から探しても
あなたが何処にいるのか全く判らない……


……否、ひとつ心当たりが…
しかし…否、………




私は自分の考えを疑いつつ、その場所へ向かった。






あなたを監禁していた場所へ……














戻ってきた。
建物の扉を開けると、
玄関にあなたの靴が置いてあった。
太宰治
あぁ、矢張か……
最初は信じられなかった。
だがそんな予感がした。
太宰治
あなた…居るのだろう?
太宰治
返事をしてくれ……
ひとつだけ気になっているのは




此処が異様に静かなこと。





あなたを監禁していた部屋の扉を開けようとした。
しかし、扉は開かなかった。


鍵は開いている筈。


扉が開くのを遮っているもの……
何かが扉に重石になって………
太宰治
あなた…?
私は少し無理やり扉を開けた。
すると、何かがドサッという音を立てて倒れた。
太宰治
…ッツツ!!……あなた?
太宰治
あなた…待ってくれ……一体……


ドサッと倒れた何か。それはあなただった。

扉のドアノブにあなたを縛っていた鎖をくくりつけて、首を吊っていた。

太宰治
嘘…だろう?…あなた……
あなたを抱える。
躰が軽い。もう息をしていないのが判る。



太宰治
あなた…あなた……
少し離れた場所に、
一枚の紙が置いてあるのを見つけた。


その紙にはあなたの字でこう書かれていた。

「私を愛してくれてありがとう
 置いていってしまってごめんなさい」…と。


太宰治
ど…どうして……
太宰治
私はあなたに…こんな選択をさせるために過ごしてきた訳では……
太宰治
あなた……あなた……
太宰治
愛しているさ。
これからも側に居る…絶対に…



だから……













太宰治
どうか私を置いていかないでくれ…





太宰さん、もう元には戻れないんですよ。


完結
ぬっしー
少し急ぎ足でしたが
ついに完結です‼️
ぬっしー
第一作目の小説が未完結だったことが
ずっと心残りだったので無事完結出来て満足(*´▽`*)
ぬっしー
こちら連載中の小説です!
ぬっしー
上のは不穏好きにはおすすめ☺️✨
下のは中編ミステリーです😌🎵
ぬっしー
よかったらどぞ(*´▽`*)

プリ小説オーディオドラマ