あなたside
太宰さんが帰ってきてくれた。
それだけが本当に本当に幸せで、
心がぽかぽか暖かくなる。
一瞬、太宰さんを怒らせちゃったのか
髪の毛を掴まれて痛かったけど、
それでも太宰さんは私のことを見てくれた。
太宰さんが私のことを見てくれているうちは
捨てられない。
でも、あまり怒らせたら失望されて
捨てられちゃうかもしれない。
上手くやらないと…
突然呼ばれた所為で反応が遅れた。
どうしよう、今の、駄目だったかな…
怒られちゃうかな……
捨てられちゃうのかな………
判らない。
なんて答えればいいの?
なんて答えたら正解なの……?
私の言葉に太宰さんは「そう、」と言っただけで、
それ以外なにも言葉を云ってくれなかった。
どうしよう…私、失敗しちゃった…?
今ならまだやり直せる。
頭がまっしろになる
なにも考えられなくて
こわくて、こわくて……
からだが震えて……
私は、どうしたらいいの?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。