ずっと抱き合っていても、何も返ってこない。
なんだか、溺れさせているという趣旨が変わってきている。
彼氏の前ですることが間違っている。
純粋な青年ではなかったのか。
プンプンして、ドギョマが帰ってきたと思えば
次の人がやってきて。
絡む指に
絡む舌。
王子様は私のことが好きなのに。
彼は耐えられるのかな。
ドギョマの時より、濃くて、
それは「濃厚」では言い表せない。
目の前で見てる彼は、どんな思いなんだろう。
私だったら、耐えられない。
これでいい歌詞が出てくるのなら。
そのまま濃く絡んでいると
その答えが返ってきた。
王子様が帰ったあと、
彼は私に背を向けたまま。
さっきのキスは、ただ嫉妬させているだけ。
彼の座っている椅子に
向かい合うように座った。
王子様のキスのせいで、
私は少し、おかしくなっている。
正直いって、王子様のキスは
誰よりも気持ちがいい。
だけど、彼からのキスは
誰よりも甘くて、濃くて、伝わってくる。
「好き」が。
そこから、私は彼を今以上に求めて
彼は私を求めた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。