第15話

南陽廟にて~
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2024/01/30 12:21
藍水(ランシュイ)
藍水(ランシュイ)
ここが南陽廟かぁ~
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
今日はここで少し休もう。
供物台を見るとたくさんの果物が供えられていた。
すると、フーヤオが嘲笑いながら
こう言ったのだった。
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
よし、いいぞ。
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
”愛されている”
藍水(ランシュイ)
藍水(ランシュイ)
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
フーヤオの言葉に疑問を持った
私と阿怜(アーリェン)は思い切って
南陽将軍こと風信(フォンシン)の配下である南風(ナンフォン)に聞いてみることにした。
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
南陽廟は北にも信徒が多いんだな。


チラッと南風(ナンフォン)の方を見る私達。
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
質問するなら聞かないでください!
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
分からないから……聞いているんだよ?
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
殿下が知りたいのは何故南陽廟に女性信徒が多いかですよね?
私達が知りたかったのはまさしくその事だった。
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
おい!
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
フンッ。
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
南陽将軍は昔はジューヤン将軍と呼ばれていまして、ですがどっかのバカな王侯貴族が巨大の巨という漢字にして廟を建てたんですよ。
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
………。
つまり漢字を間違えたまま
廟が建てられたのか。

南風(ナンフォン)は苦虫を噛み潰したような
なんとも言えない表情になっていく。
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
今では女どもに子種を届ける神と言われていますね。(笑)
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
黙れ!!文字ならなおしたぞ!!!
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
ハッ、なら何故まだこんなに女性信徒が多いんだ?
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
そんなに言うのなら床でも”掃いていろ”!!!
南風(ナンフォン)がそう言った瞬間、
フーヤオの笑みが一瞬で消え、
その顔は怒りへと変わった。
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
今なんと言った?
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
フンッ、玄真(シュエンジェン)将軍はかつて仙楽国の太子殿下にお茶を入れたり床を掃いたりしていた。
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
だが結局奴は、太子殿下に恩があるにも関わらずたもとを別れた。
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
それなら南陽将軍も似たようなもんだろう!!
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
太子殿下に忠誠を誓っておきながら結局は彼の元から去った!

と、次々へと二人の口論は炸裂し、
次には供物台から食べ物や色んなものを投げ合うまでにいたりあった。
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
💦💦💦ふたりともやm((あだっ!
阿怜(アーリェン)は止めようとしたが
言い終わらない内に物が飛んできて当たってしまった。
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
はぁ……。


そして阿怜(アーリェン)は落ちた饅頭を拾い少しはたいて食べようとしたが、
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
食うんじゃない!!
すぐさま気づいた南風(ナンフォン)が叩き落とした。
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
誇りに落ちたものを食べるなんて!
フーヤオが信じられないとでも言いたげな顔でいう。
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
待て!!
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
一つ、君達がいう太子殿下とはこの私。喧嘩の口実にするな。
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
二つ、君達は私を手伝いに来てくれた。
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
なら従うのは誰だ?
扶揺(フーヤオ)
扶揺(フーヤオ)
殿下です。
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
殿下です。
藍水(ランシュイ)
藍水(ランシュイ)
3つ、ここは仮にも神官の廟でしょ?
藍水(ランシュイ)
藍水(ランシュイ)
せっかくの功徳をめちゃくちゃにして君ら大丈夫なの??
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
あまりよくはない。
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
よし!ならそろそろ本題に入ろう。
続く。

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