第17話

太子の嫁入りⅡ
124
2024/03/28 12:16


ワオオオオオオオンン🐺
藍水(ランシュイ)
藍水(ランシュイ)
狼の群れか。


狼の群れが現れ、カツギテ達を次々と襲っていく。
南風(ナンフォン)とフーヤオは剣を取り出し、
狼達を切り裂いていく。
おかしいな。
この山には狼は普通いない。
一体どうしてこんな所にいるのだろう?
担ぎ手
あ……あれはなんだ!
なんなんだよ!!


担ぎ手の一人が驚いて声を上げる。
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
また何かあったのか?
南風(ナンフォン)
南風(ナンフォン)
出るんじゃない!


あ!
何かが阿怜(アーリェン)の乗っている輿の中まで這い上がっている!!


南風(ナンフォン)がすぐに”ソレ”を
思い切り引きずり出す。
藍水(ランシュイ)
藍水(ランシュイ)
鄙奴(ひど)よ!!
謝怜(シエリェン)
謝怜(シエリェン)
(鄙奴か……厄介だな。)


鄙奴は悪にすら値しない低級な妖魔鬼怪。
一度目の人生……私がまだ冰雪(ビンシュエ)と
名乗っていたとき、散々な目にあった元凶だ。
コイツらは元は人間だったけれど、
今ではもう異形としか言い様がない。

頭と顔はぼんやりしていて見分けはつかず、
手足はあるがきちんと歩けるほどの力は無い。
口と歯は揃っているが、
どれだけ噛もうとも人をかみ殺すことは出来ない。
でも、私の経験上…。
よほど恐ろしい妖魔鬼怪に出くわすよりも、
この鄙奴のほうがごめんよ!
だって、絶対に他の妖魔鬼怪と一緒に現れるし!
妖魔鬼怪と戦かっているうちに、
いつの間にか現れてはネバネバした体液でたこみたいにしがみついてくる!!
戦闘力は低いのにこれでもかってくらい
生命力えげつないんだよ!!
藍水(ランシュイ)
藍水(ランシュイ)
(上天庭の神官なら霊光か自身の武器で追い払えるけど、
生憎、扶揺(フーヤオ)と南風(ナンフォン)は中天庭の神官!!彼らにとってはひとたまりも無いな!!)




まだまだ波乱は続く

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