ワオオオオオオオンン🐺
狼の群れが現れ、カツギテ達を次々と襲っていく。
南風(ナンフォン)とフーヤオは剣を取り出し、
狼達を切り裂いていく。
おかしいな。
この山には狼は普通いない。
一体どうしてこんな所にいるのだろう?
担ぎ手の一人が驚いて声を上げる。
あ!
何かが阿怜(アーリェン)の乗っている輿の中まで這い上がっている!!
南風(ナンフォン)がすぐに”ソレ”を
思い切り引きずり出す。
鄙奴は悪にすら値しない低級な妖魔鬼怪。
一度目の人生……私がまだ冰雪(ビンシュエ)と
名乗っていたとき、散々な目にあった元凶だ。
コイツらは元は人間だったけれど、
今ではもう異形としか言い様がない。
頭と顔はぼんやりしていて見分けはつかず、
手足はあるがきちんと歩けるほどの力は無い。
口と歯は揃っているが、
どれだけ噛もうとも人をかみ殺すことは出来ない。
でも、私の経験上…。
よほど恐ろしい妖魔鬼怪に出くわすよりも、
この鄙奴のほうがごめんよ!
だって、絶対に他の妖魔鬼怪と一緒に現れるし!
妖魔鬼怪と戦かっているうちに、
いつの間にか現れてはネバネバした体液でたこみたいにしがみついてくる!!
戦闘力は低いのにこれでもかってくらい
生命力えげつないんだよ!!
まだまだ波乱は続く
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。