第3話

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2024/04/11 11:31
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謎の鬼
もう良いのかい?
エマ
うん、いいよ。
エマがあの鬼との約束を履行した。




金色の水がより一層眩しく輝いて、私達の顔を下から照らした。
そして次の瞬間___



視界が途切れた。











フィル
...あなた!起きて!起きて!
あなた
ん...
フィル
ここ...!!
目を開けると其処には、一面に広がる緑。
あなた
...森?
でも、鬼の世界より木が小さい。変な生物もいない。
ノーマン
此処...本当に人間の世界...?
レイ
いや...木があっちの世界より小さい。此処は人間の世界で間違えないと思うぞ。
家族
人間の世界だー!!
あなた
…ははっやっとだ…長かったな。
ギルダ
本当に来れた...
ドン
人居ねぇけどな。

ナイジェル
此処にはもう鬼はいないんだ…!

あなた
ふふ...やったね、エマ!
フィル
よかったね、エマ!
後ろを振り向いて、エマに声をかけた。


一番喜んでいるのは、エマのはずだ。

あなた
...エマ?


嘘だ。


嘘だ。


さっきまで、隣に居たんだ。


なのに
あなた
...っ何処にっ!?
レイ
クソッ!!
フィル
エマ...!?どこ行ったの!?

私の大馬鹿野郎。


如何して。


如何して気づけなかった。


可笑しいと思っていたのに...!
ノーマン
...ッッ

ノーマンは膝から崩れ落ち、レイは顔を大きくゆがめた。


皆の喜びは一瞬で消え失せた。


エマが...エマが居ないと意味がない。


此処まで引っ張ってきてくれたエマが居ないと。
フィル
さっきまで…手をつないでいたのに!
レイ
ご褒美が無いというのは嘘か…!
ギルダ
エマッ!
あなた
如何して...
あなた
...ッッ!!?
あなた
ッ静かにっ!!


泣き叫ぶ皆の声の先から聞こえた、唸り声。


私の一声に皆は戦闘態勢をとった。


小さい子は怯えている。

レイ
如何した!?
あなた
南南西、およそ10.5メートル先から唸り声。獣だ。
ノーマン
こんな時にッ!

はっ...本当に泣きっ面に蜂状態だ。


でも…相手は蜂ではない。


多分...猪や熊か…?


銃はあるが、なるべく使いたくないな…
グルルル...
家族
ヒッ!
のろのろと対処法を考えていたら...もうこんなに近くに...!


あれはもう…こちらを、獲物として認識している。


あなた
皆。一塊になって。もし、目が合ってもそらさないで。
あなた
...ここは私一人で済ます。
レイ
油断すんなよ
あなた
分かっているよ。



一応、銃を構えて唸り声の主に近づいた。




熊だ。




大きく深呼吸をして...


その熊と目をそっと合わした。
あなた
目をそらした方が負けだ。



熊は自分より強い奴には挑まない。
グル…
あなた

1分ぐらい見つめ合ったのち、


固まっていた熊は私に背を向け森に帰えった。


私の勝ちを確信し、皆の方に振る返ろうとした。





でも、その時







矢が空気を切って此方に来る音がした。





こんな時代に矢という事は、

文明が低い所に転移してしまったか?

少し、ネガティブな考えが頭をよぎる。




だけど、そんな事を考えながらも、身を守るため近くにあった石ころを、いいタイミングで矢に当て付け落とした。



急いで、矢が来た方向を振り向き人影を探したが、誰も見つからない。




逃げたな。
あなた
…クソっ
あなた
ノーマン、レイ。少し状況が悪そうだ。
レイ
エマが居ない時点で最悪だ。
ノーマン
少しではないね。
あなた
だったら、最悪の下だ。
あなた
…此処に、敵対者が居るかもしれないんだ。



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