第47話

バッドエンド前編
249
2023/12/04 18:19
2008年3月3日
幸いな事にあなたの下の名前の呼吸を助けていた器具は1週間で外された。蘭がこっそり持ってきてくれた止血剤のおかげだ。もちろん春千夜には話していない…そんな中、ひな祭りとなった今日。春千夜は沢山の果物を持ってお見舞いへとやって来た。
三途 春千夜
あなたの下の名前〜、春ちゃんが
果物持ってきてやったぞ
あなた
おおお!!!
色々ある!
三途 春千夜
ん、好きなの食え
あなた
へへっ
ねぇ春千夜、仕事の方は平気?
三途 春千夜
んまぁ心配する事ねぇよ
あなた
えー、心配だよ
あんなにブチ切れた春千夜
私だって初めて見たもん
三途 春千夜
あんなの見たら誰だってキレんだろ
あなた
じゃぁ今は平気?
三途 春千夜
おう
んな事よりどれ食うんだ
あなた
リンゴ!
三途 春千夜
あなた
アーンして♡
三途 春千夜
自分で食えんだろ?
あなた
あーーーん!!!
三途 春千夜
ほら
あなた
ん〜♡
春千夜好きぃ♡
三途 春千夜
……ったく
テメェは呑気だよな
あなた
ん?
三途 春千夜
今、お前の事で
色々バタついてんだろ
少しは危機感持てよ
あなた
あー、何だっけ
凄腕の暗殺スナイパー死す?
何で死んだ事なってんのか
謎だよねぇ
三途 春千夜
そっちじゃねぇ
テメェを使いたいって
世界中から依頼が来てんだよ
だから絶対退院するな
あなた
退院するなは無理くない?w
三途 春千夜
あ?俺から離れて
また海外行く気かよ
あなた
うん、仕事だし
三途 春千夜
……
あなた
あれれ、寂しん坊さん発動?♡
三途 春千夜
あァ!?
あなた
図星だぁw
三途 春千夜
…俺はまだ一人で
出来る気がしねぇってだけだ
あなた
万次郎の事?
三途 春千夜
テメェが望んだんだろ
俺もマイキーも
1人でもアイツらと立てる
そんな未来を
あなた
三途 春千夜
けど…どう考えても
お前が居なくなる事だけは
耐えられねぇ…
お前の出張すら
任せて行ってこいも
言ってやれねぇ
あなた
えー、でも春には
蘭も竜胆も居るでしょ?
三途 春千夜
…それとは別だろテメェは
あなた
じゃあさ
私がもうすぐ死ぬって言ったら?
三途 春千夜
……は?
あなた
例え話
そしたらどうするの
三途 春千夜
……仕事辞めさせる
あなた
えー
三途 春千夜
あなた
ごめんごめんw
ただの例え話だってば
ほらリンゴもう一個頂戴?
三途 春千夜
いや、今日は帰る
あなた
そかぁ、残念
明日はアイス買ってきて!
バニラの300円のやつ!
三途 春千夜
うっせぇw
誰が買うかバカ女
コートを羽織り扉に手を掛けた春千夜は、笑顔を見せあなたの下の名前に中指を立て病室を出て行った。彼にも考える時間が必要だ…だがあなたの下の名前には時間が無い…直ぐに万次郎に「二人で話したい」と連絡をする事にした。すると万次郎は1時間程で病室へと顔を出してくれる
佐野万次郎
話って?
あなた
万次郎、誰にも言わないって
約束してくれる?
佐野万次郎
誰にも?
三途にも?
あなた
そう
佐野万次郎
分かった
あなた
私ね、もうすぐ死ぬんだって
佐野万次郎
……え?
アイツらのせい…?
あなた
ううん
元々、もう限界なんだ
何とか止血剤で頑張ってたけど
回数も増えてるし
医師はあと1年
もつか分からないって
佐野万次郎
ッ!
…俺…ごめん
ずっとそうだったのか?
それなら俺…
あなた
万次郎、私は謝って欲しくて
呼んだんじゃないの
佐野万次郎
あなた
手伝って欲しいの
佐野万次郎
手伝う?
あなた
そう
今までの万次郎の事
全部許すから…
最近は万次郎も弱音減ってきたし
万次郎は1人でも
仲間を頼れるようになる
佐野万次郎
……けどあなたの下の名前
あなた
言ったでしょ
もうアドバイスはしない
怒りもしない
自分で考えて周りを頼って
佐野万次郎
…分かった
じゃぁ手伝うってのは?
あなた
春千夜を助けたいの
…ほら、この前暴れた時も
それにずっと昔から
春千夜は私が居なくなるのを
極端に嫌がってた
頑張って応援してみたけど
もう私には時間が無いから
私が梵天を裏切るのを
最後まで見逃して欲しいの
佐野万次郎
ッ!?
俺らを裏切る…?
最後までってあなたのニックネームが
余命尽きるまで?
あなた
そう
私は梵天の内部情報を
全て武道に話すつもり
佐野万次郎
まだ、たけみっちに
俺らを任せようと
思ってるのか?
あなた
うん
皆を怒ってくれるの
武道くらいだもん
そんで私は止めようと
して来た人は撃つ
佐野万次郎
……邪魔もせず
裏切り者として怪しむ
その行動だけはしろって?
けど、俺があなたのニックネームを
裏切り者かも…って言った時点で
何人かはお前を殺しに行く
俺が止めるのも変だ
あなた
うん
だからその時は私が消す
その方が裏切り者として
成り立つし
万次郎が私を見つけろ
何て言わなければ
私を襲ったやつは自己責任
そして最後は
佐野万次郎
……俺があなたのニックネームを…
それは嫌だ
あなた
万次郎、お願い
佐野万次郎
そんな事しても
三途は本当に変わるのか?
あなた
病死で急に
居なくなるよりマシ
佐野万次郎
なら今の話を言えばいいだろ
あなた
そんな事したら
春千夜もっと壊れる
私を監禁して
きっと俺も死ぬって言い出す
万次郎には春千夜が必要なの
私は春千夜の傍に居ちゃダメ
お願い万次郎
これしか春千夜が
私を嫌いになる方法は無い
佐野万次郎
っ……そんなに俺が嫌いか
あなた
うん
佐野万次郎
分かった
けど、これが俺が聞く
あなたのニックネームの最後のワガママだ
他の我儘なんか
聞いてやんねぇ
あなた
うん、ありがとう万次郎
梵天を…春千夜をよろしくね?
佐野万次郎
……っ
任せろ、もう間違えない
あなた
ん、流石日本一の男♡
こうして退院したら始まる裏切り者としての生活。
あなたの下の名前はせめて入院中だけでも楽しく暮らす事にした。
2008年3月17日
今日は退院前日。医師からはもう治療の術が無いと言われ、蘭と若狭は何とかしろとあの闇医者に頼み込みに行ったらしい…だが、最後の苦しみを和らげる薬しか無いという現実を突き付けられ、病院に顔を出すことが増えていた
あなた
ケホケホ…
灰谷竜胆
にしてもさ、あなたのニックネームの携帯
これじゃ誰がどれか分かんなくね?
灰谷蘭
全員ウザイ系列なの笑うw
明司武臣
俺のはどれだ?
あなた
くそウザイ奴
明司武臣
ひでぇw
望月莞爾
俺のは?
あなた
結構ウザイ
望月莞爾
素直に傷つくな…w
灰谷竜胆
あなたのニックネーム、俺のはー?
あなた
まぁウザイ
灰谷竜胆
え、これまだセーフ?
灰谷蘭
蘭ちゃんのは♡?
あなた
マジでウザイ
灰谷竜胆
なんか兄貴のだけ力入ってる?w
灰谷蘭
おい、何でだァ?♡
あなた
知らなーい♡
九井一
これは、三途か?
灰谷竜胆
どれどれ、がんばれ??
望月莞爾
何をがんばんだ?
灰谷竜胆
さぁ?仕事??
灰谷蘭
九井一
じゃぁこっちの
もう黙れうぜぇ…ってのがボスか
灰谷竜胆
ボスの扱いwwww
灰谷蘭
もう黙れって笑うww
ボスそんな喋らねぇのにw
あなた
私の前だとよく口が開く
ってか、皆して何で居んのよ
仕事しろ仕事
九井一
俺はパソコンあれば出来るからな
灰谷蘭
俺らは休み貰った♡
灰谷竜胆
そーそー
だから今日は一日ここに居れる
あなた
いや、明日には帰るじゃんw
明司武臣
蘭がどうしても
って言うからよ
望月莞爾
だな、本当は今牛も
来る予定だったが
用事が出来たらしい
あなた
蘭、気を使わなくてよかったのに
灰谷蘭
んー?
別にそんなつもりはねぇよ
あなた
なら良いけどっ、ケホケホ
咳き込み少し噎せると、蘭は「長居も良くねぇし帰るか」と声を掛け竜胆たちを退出させる。本当に気の利くウザイ男だ…それから数分後、蘭は1人で病室へと戻ってくる
灰谷蘭
あなたのニックネーム〜♡
あなた
また来た
灰谷蘭
ん、まぁちょっと
聞きたい事あってな
あなた
聞きたい事?ッケホケホ
灰谷蘭
お前さ、何かするつもりだろ
あなた
……ッ
灰谷蘭
この前、医者に行ったら
お前が数ヶ月分の薬を
頼んでたのを知った
次の仕事も決まってねぇのに
何で?
あなた
本当…ウザイ奴
灰谷蘭
答えろ
じゃねぇと助けてやれねぇだろ
あなた
……助けは要らない
これは私一人でする
灰谷蘭
だから何をだよ
今牛は知ってんのか?
あなた
ん…若狭に手伝ってもらうから
大丈夫
灰谷蘭
……そうかよ
アジトには?
あなた
明日だけ
それ以降は戻らない
灰谷蘭
……三途、また荒れんな
あなた
慣れてもらわなきゃ
灰谷蘭
…そうかよ
まぁ、なんだ…
楽しかったぜ、色々と
あなた
ん、私も
灰谷蘭
…じゃぁ俺帰るわ
あなた
蘭…ちゃん
灰谷蘭
ん?
あなた
最後までありがとう
春千夜をよろしくね?
灰谷蘭
おう


翌日、あなたの下の名前がアジトに戻るとその日の夜中…部屋に離婚用紙を置いて若狭と共にアジトを出て行った。そしてボロなアパートに身を隠せば、武道の家までの送り迎えをしてくれる若狭。だが若狭が手伝うのはそれだけだ。それ以上は何もしない……彼は梵天な戻って2人を見守らなくてはならないのだから。






3ヶ月後の6月14日
あなた
ケホケホ…ッケホケホ
今牛若狭
おい、大丈夫か…?
薬はいつ飲んだ
あなた
…はァっ、3時間前
クソ…切れるの早いね…ケホケホ
今牛若狭
今日はもう休め
花垣には俺から話しておく
あなた
ん…そうする
ねぇ、わか…春千夜は?
今牛若狭
毎日聞いても変わらねぇよ
お前の無実を証明する為に
走り回ってる
あなた
ハハッ、無駄なのに
春千夜も馬鹿だなぁ
今牛若狭
なぁ、あなたの下の名前。
やっぱりこんなの辞めろよ
戻って全部話せばいいだろ
あなた
ダメ
そしたら何のために私は
梵天の部下を撃ったの?
私の邪魔するなら
ワカでも撃てるよ
今牛若狭
……あなたの下の名前
分かった、けど暫くは休んでろ
三途がお前探して
この辺まで来てる
あなた
携帯変えたのに
春千夜のストーカーレベルは
凄いねぇ
今牛若狭
だな
これ、今日の分の薬だ
3時間おきに1錠な
あなた
ん…ありがと
あなたの下の名前が薬を飲むと、少し楽になる。だが梵天の裏切り者に休息はない…万次郎は探せとも言ってないはずなのに、部下は今日もアパートに乗り込んでくる。これで引越しも何件目だろうか…きっと春千夜の指示なのだろうけど…無駄に命が減るだけだ
部下
っ!居たぞ!
女と今牛だ!!
あなた
あぁも…少し寝たいのに…
今牛若狭
部下
この裏切り者が!
そう銃を向けた4人の男たちを瞬殺するあなたの下の名前
あなた
ワカ、別のとこ行こっか
今牛若狭
ん、立てるか?
あなた
大丈夫…ケホケホ



春千夜……

早く私を諦めてよ…

これ以上されたら

春千夜に会いたくなってしまうんだよ





春千夜……

貴方にはもう他に頼れる人居るでしょ…


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