ナムジュンの瞳は……鋭く、俺を見据えていた。
少しでも気を緩めたら……
顔を背けてしまうくらいの気迫だった。
でも、どうしても俺は……伝えたかった。
俺の、好きなものたちを……
ずっと、「好き」でいたい事を。
俺にとっては……
どれも……大切だから、比べるなんて……
……一番を選ぶなんて、出来ないし……
…………それに、俺には………
そんな事……する必要がない。
全部、大切だから……………
全部、守りたいと思ってる。
だから……………ナムジュナ……………
お前にも、ちゃんと、話したかった。
俺から、俺の言葉で、お前に……………
俺の大事なものを、守りたいものを
……伝えて……………知ってほしくて。
………………………………………
……………理解しろ、とは、言わない。
反対するなら………それでも構わない。
ただ……これからも俺と……
向き合って……話を……して欲しい。
……………今までみたいに……………
俺と、お互いの考えを伝え合って………
納得するまで、話をする事だけは………
……………止めないで、欲しい。
………………………………………
ナムジュンは……………
落ち込んだように身体を前に倒して
組んだ手で頭を支えて、考え込んでいた。
ここまで伝えても……反対されるかもしれない。
家族だって……親友だって……………
解りあえない事は、必ずあるから。
ナムジュナは、ゆっくりと顔を上げると……
ジン兄さんの様子を伺った。
ジン兄さんは、もうこの話、
………聞いてたんですよね……
……………ジン兄さんは……………
……どう、考えてるんですか?
…………………………
…………………………僕………は……
…………………………別に、いいんじゃない?
…………………………って、思ってるけど。
ジン兄さんは……………
相変わらず、穏やかな顔で
俺たちを見ていた。
…………無責任に聞こえるかも
…………しれないけど…………
ユンギヤの人生は、
ユンギヤのものだし。
ジミナの人生も、ジミナのものだし。
誰を好きになるのも、
どうやって生きていくのかも……
その人が自分で決める事だから。
………………………………………
ただ…………大切なものがあるなら
絶対に、………守るべきだし……………
……やるべき事があるなら………
………ちゃんと最後まで、
責任を果たすべきだとは、思ってる。
………………………………………
ユンギヤが……そう、決めてるのなら……
もうそれは、決定事項でしょ。
………………………………。
恋愛に関してはさぁ、
……ユンギヤのみならず、僕たちも……
誰の場合でも、相手が誰でも、
問題にはなるし、……みんなとの……
……相談や話し合いは、必須だし。
それにさぁ……………
自分で選んで決めた、
大切な、自分の好きな人とはさぁ……
やっぱり、一緒にいたいじゃない?
……………どんな壁が、あってもさ。
兄さんは、いつものように。
優しく、柔らかく……………微笑む。
隣にいたナムジュナの背中を、ポンと叩いて……
そっと、撫でている。
…………………………うん……。
…………………………そうですよね………。
………………………………………
ジン兄さんも……ナムジュナも………
ちゃんと、自分の考えや信念を持ってる。
そして、有り難い事に………
その考えのどれもが、最高に良く思えて。
そして………俺も「同じ」だ……と、共感できて。
身体が、心が、魂が……共鳴して、叫んでいる。
この二人と………
家族で……仲間で…………良かった………って
再認識、した。
本当に……………申し訳ない。
こんな状況にならないように……
色々考えて……………
やってはみたんだけど……………
どうしても……………
……止められ……………なくて。
俺がそう口に出した瞬間に………
ジン兄さんとナムジュナは
お互いの顔を合わせて……ニヤリと笑った。
聞いた?………ナムジュナ
………ハイ……聞きました。
…………………………え?
今……かなり、遠回しだったけど
…………………………惚気たよね?
惚気ましたね。
はっ!?………なんでだよ?
兄として、やるべき事はやったが……
可愛い弟の魅力には勝てなかったと…
そう聞こえましたね、ハイ。
なっ………!?いやべつにそんな事
一言も言ってないし!なんで!?
まだちゃんと、馴れ初めも
聞いてないんだよねぇ……?
報告の義務ありますよね。
僕たち長男とリーダーだし。
……………絶っっっ対に
………言わないからな。
えーなんでよー?……けっこう、
二人で仲良くしてるんでしょ?
………守秘義務がありますから。
うっかり色々と喋りすぎて、
どっかでバレたりしたら……
……本当に、取り返しが
……つかないから……………。
…………………………そうだね。
まぁ……………出来る限り、
……………………応援はするよ。
ただ、やっぱり限界はあるから……
二人でちゃんと話し合って……
………自己防衛もしっかりとね。
…………………………ハイ。
俺が、ジミナを……………
ちゃんと……………守ります。
…………………………うん。
何があったら、いつでも、
何でも相談して。いいね?
……………ハイ。
とりあえず……………大きな壁は……………
越えられた……………かな。
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編集部コメント
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