第42話

StoryAfterThat «Ⅱ»2
802
2023/02/28 11:54























 



ナムジュンの瞳は……鋭く、俺を見据えていた。


少しでも気を緩めたら……


顔を背けてしまうくらいの気迫だった。

 











でも、どうしても俺は……伝えたかった。


俺の、好きなものたちを……


ずっと、「好き」でいたい事を。









 


YOON
YOON
俺にとっては……
YOON
YOON
どれも……大切だから、比べるなんて……
……一番を選ぶなんて、出来ないし……

YOON
YOON
…………それに、俺には………
そんな事……する必要がない。 

YOON
YOON
全部、大切だから……………
全部、守りたいと思ってる。



 





YOON
YOON
だから……………ナムジュナ……………
お前にも、ちゃんと、話したかった。





YOON
YOON
俺から、俺の言葉で、お前に……………
YOON
YOON
俺の大事なものを、守りたいものを
……伝えて……………知ってほしくて。






NAM
NAM
………………………………………





YOON
YOON
……………理解しろ、とは、言わない。
反対するなら………それでも構わない。



YOON
YOON
ただ……これからも俺と……
向き合って……話を……して欲しい。



YOON
YOON
……………今までみたいに……………
俺と、お互いの考えを伝え合って………
納得するまで、話をする事だけは………



YOON
YOON
……………止めないで、欲しい。










NAM
NAM
………………………………………













ナムジュンは……………


落ち込んだように身体を前に倒して


組んだ手で頭を支えて、考え込んでいた。













ここまで伝えても……反対されるかもしれない。


家族だって……親友だって……………


解りあえない事は、必ずあるから。














ナムジュナは、ゆっくりと顔を上げると……


ジン兄さんの様子を伺った。











NAM
NAM
ジン兄さんは、もうこの話、
………聞いてたんですよね……
NAM
NAM
……………ジン兄さんは……………
……どう、考えてるんですか?







JIN
JIN
…………………………
JIN
JIN
…………………………僕………は……




 






JIN
JIN
…………………………別に、いいんじゃない?



JIN
JIN
…………………………って、思ってるけど。









ジン兄さんは……………


相変わらず、穏やかな顔で


俺たちを見ていた。


















JIN
JIN
…………無責任に聞こえるかも
…………しれないけど…………


JIN
JIN
ユンギヤの人生は、
ユンギヤのものだし。
JIN
JIN
ジミナの人生も、ジミナのものだし。


JIN
JIN
誰を好きになるのも、
どうやって生きていくのかも……
JIN
JIN
その人が自分で決める事だから。




NAM
NAM
………………………………………





JIN
JIN
ただ…………大切なものがあるなら
絶対に、………守るべきだし……………

JIN
JIN
……やるべき事があるなら………
………ちゃんと最後まで、
責任を果たすべきだとは、思ってる。







NAM
NAM
………………………………………
 







JIN
JIN
ユンギヤが……そう、決めてるのなら……

JIN
JIN
もうそれは、決定事項でしょ。





NAM
NAM
………………………………。






JIN
JIN
恋愛に関してはさぁ、
……ユンギヤのみならず、僕たちも……

JIN
JIN
誰の場合でも、相手が誰でも、
問題にはなるし、……みんなとの……
……相談や話し合いは、必須だし。
 




JIN
JIN
それにさぁ……………
JIN
JIN
自分で選んで決めた、
大切な、自分の好きな人とはさぁ……








JIN
JIN
やっぱり、一緒にいたいじゃない?







JIN
JIN
……………どんな壁が、あってもさ。










 


兄さんは、いつものように。

優しく、柔らかく……………微笑む。


隣にいたナムジュナの背中を、ポンと叩いて……

そっと、撫でている。










NAM
NAM
…………………………うん……。

NAM
NAM
…………………………そうですよね………。













YOON
YOON
………………………………………











 


ジン兄さんも……ナムジュナも………



ちゃんと、自分の考えや信念を持ってる。





 


そして、有り難い事に………


その考えのどれもが、最高に良く思えて。


そして………俺も「同じ」だ……と、共感できて。


身体が、心が、魂が……共鳴して、叫んでいる。     

 






この二人と……… 



家族で……仲間で…………良かった………って



再認識、した。











YOON
YOON
本当に……………申し訳ない。



YOON
YOON
こんな状況にならないように……
色々考えて……………
やってはみたんだけど……………



YOON
YOON
どうしても……………
……止められ……………なくて。








俺がそう口に出した瞬間に………


ジン兄さんとナムジュナは


お互いの顔を合わせて……ニヤリと笑った。










JIN
JIN
聞いた?………ナムジュナ

NAM
NAM
………ハイ……聞きました。




 
YOON
YOON
…………………………え?




JIN
JIN
今……かなり、遠回しだったけど
…………………………惚気たよね?

NAM
NAM
惚気ましたね。




YOON
YOON
はっ!?………なんでだよ?



JIN
JIN
兄として、やるべき事はやったが……
可愛い弟の魅力には勝てなかったと…

NAM
NAM
そう聞こえましたね、ハイ。



YOON
YOON
なっ………!?いやべつにそんな事
一言も言ってないし!なんで!?
 

JIN
JIN
まだちゃんと、馴れ初めも
聞いてないんだよねぇ……?
NAM
NAM
報告の義務ありますよね。
僕たち長男とリーダーだし。





YOON
YOON
……………絶っっっ対に
………言わないからな。




JIN
JIN
えーなんでよー?……けっこう、
二人で仲良くしてるんでしょ?

YOON
YOON
………守秘義務がありますから。

YOON
YOON
うっかり色々と喋りすぎて、
どっかでバレたりしたら……

YOON
YOON
……本当に、取り返しが
……つかないから……………。





JIN
JIN
…………………………そうだね。



JIN
JIN
まぁ……………出来る限り、
……………………応援はするよ。

JIN
JIN
ただ、やっぱり限界はあるから……

JIN
JIN
二人でちゃんと話し合って……
………自己防衛もしっかりとね。


YOON
YOON
…………………………ハイ。
YOON
YOON
俺が、ジミナを……………
ちゃんと……………守ります。



JIN
JIN
…………………………うん。
JIN
JIN
何があったら、いつでも、
何でも相談して。いいね?




YOON
YOON
……………ハイ。



















とりあえず……………大きな壁は……………



越えられた……………かな。

















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