第258話

当主
241
2024/04/03 13:15






ー謙杜side
今から…お父様の脳の手術…。
お医者さんも…かなり難しい手術だって言ってたし…。
…でも…お父様は絶対大丈夫…!
俺はずっと…そう思っとる…、
道枝駿佑
…謙杜…?
長尾謙杜
ん…?なぁに…?
手術室のランプが点灯したと同時に、駿佑が話しかけてきた。
道枝駿佑
…今…お父さんの手術…始まったけど…。
長尾謙杜
うん…。
そうだよね…駿佑も…不安…だよね…。
道枝駿佑
…父さんなら…絶対大丈夫よな…。
長尾謙杜
…うん…!
なんも根拠もないけれど…。
長尾謙杜
…前まであんなに元気だったんだもん…!
長尾謙杜
お父様は…そんなに簡単に…倒れたりしないよ…!
道枝駿佑
…そう…よな…。
道枝駿佑
父さんなら…大丈夫…よな…。
長尾謙杜
…心配…だよね…。
長尾謙杜
自分のお父さんが倒れて…今手術中で…。
道枝駿佑
…俺も…正直不安…。
西畑大吾
みっちー…!
道枝駿佑
あ…大吾くん…!
大西流星
俺もおるよ〜!
長尾謙杜
流星くん…!
高橋恭平
俺と…
俺もおるよ〜!
長尾謙杜
高橋くん…!お兄ちゃん…!
道枝駿佑
あれ…?大橋くんと丈くんは…?
西畑大吾
2人は…今外で待機中…。
長尾謙杜
待機中…?
高橋恭平
お父さんって…結構この街で有名な人やったから…。
高橋恭平
街中の人がこの病院に駆けつけて…。
大西流星
てなわけで…2人はここに来れないって…。
長尾謙杜
そうやったんや…。
長尾謙杜
お父様って…この街でそんなに有名だったんや…。
道枝駿佑
あぁ…そっか…謙杜はそこまで…父さんのこと…よく知らんもんな…。
長尾謙杜
うん…。
道枝駿佑
父さんは…俺たちの城の2代目の当主なんよ…
長尾謙杜
2代目の…当主…?
西畑大吾
せやで…?
西畑大吾
1代目の当主が亡くなって…。
西畑大吾
1代目の当主が亡くなる寸前…今の父さんに…この城を守ってくれと…。
大西流星
この城は…お前に委ねるって…。
高橋恭平
そして…その言葉を残し…当主は息を引き取ったんよ…。
長尾謙杜
そう…だったん…?
道枝駿佑
…俺は…今…父さんが脳の手術をして…成功してほしいとずっと願ってて…。
道枝駿佑
不安な面もあるけど…。
道枝駿佑
…もう1つ…俺は心配事があるんよ…。
長尾謙杜
…もう1つ…心配事…?
道枝駿佑
…1代目の当主が亡くなった時も…
道枝駿佑
…脳の手術が…成功したにも関わらず…そのまま亡くなってしまったんよ…、
長尾謙杜
…え…手術は…成功…したんやろ…?
西畑大吾
もちろん…俺たちも医師に問い詰めたで…?
西畑大吾
成功したんやないんかって…。
大西流星
最善を尽くした…それだけしか言わんかったんよ…。
長尾謙杜
そんな…。
道枝駿佑
…俺はそうならないってずっと信じてるけど…。
道枝駿佑
…心の底…少し心配してる…。
…そんなことが…あったなんて…。
…お父様…。








ー数時間後…
ガラガラガラ…
手術室の扉が開いた。
長尾謙杜
…!先生…お父様は…!
医師
…手術は成功しました。
道枝駿佑
…っ…。
医師
今は麻酔が効いている状態ですので…時期に目を覚ますでしょう。
医師
右半身も、完全に動くようになりました。
高橋恭平
…良かったです…。
医師
看護師が病室へ案内致します。
医師
では私はこれで…。
西畑大吾
…ありがとうございました…。







ー病室
長尾謙杜
…手術…成功して…良かったぁ…。
大西流星
そうやな…それだけでも…少し安心やわ…。
…このまま…何も起こらなければええけど…。
道枝駿佑
父さん…。
…駿佑…大丈夫や…。
お父様は絶対目を覚ます…。
道枝駿佑
…そう…よな…。湊…。
長尾謙杜
うん…俺もそう思うよ…。
高橋恭平
…でもなんでいきなり…父さんは倒れて…?
西畑大吾
この脳の腫瘍は…自覚症状とか…個人差があるって…言うてたで…。
西畑大吾
いきなり倒れたのも…それが原因かもしれへんわ…。
大西流星
…そうやな…。
大橋和也
皆…!
藤原丈一郎
父さんは…!
長尾謙杜
丈くん…!大橋くん…!
西畑大吾
さっき手術が終わった…。
西畑大吾
手術は成功したって…。
大橋和也
ほんま…!?良かったぁ…。
高橋恭平
それで…病院の外は…?
藤原丈一郎
だいぶ落ち着いてきたで…。
大橋和也
でも…いつまた沢山の人が集まってきてもおかしくはない…。
大西流星
そうだったんすね…。
道枝駿佑
でも…お疲れさまでした…。
王様
…ん…ん…
長尾謙杜
…!お父様…!?
王様
…み…んな…か…。
西畑大吾
お父様…!大丈夫ですか…?
王様
…あ…ぁ…。
王様
みん…なに…心配…かけ…たな…。
大橋和也
そのようなこと…お気になさらないでください…!
長尾謙杜
俺たちは…お父様が無事で…とても嬉しく思っております…!
大西流星
お父様…あまり無理をなさらないでください…!
王様
…和也…謙杜…流星にも…色々と…ごめん…な…。
長尾謙杜
あ…謝る必要等ございません…!
王様
…あり…がとう…。
王様
…みん…なに…話が…ある…。
西畑大吾
…!何でしょうか…?
王様
…俺はこの先…あの城を守っていくのも時間の問題だ…。
大西流星
はい…。
王様
…駿佑…駿佑は…いる…か…?
道枝駿佑
…父さん…俺はここにおるよ…?
道枝駿佑
父さん…どうしたの…?
王様
…駿佑…。
王様
これは…お前にしか…頼め無い…ことだ…。
道枝駿佑
…俺だけ…ですか…?
王様
あぁ…。
西畑大吾
みっちーにしか…頼めないこと…?
大西流星
お父様…
長尾謙杜
駿佑様に…なにか…?
王様
…俺は…この先長くない…。
王様
…道枝駿佑…。
道枝駿佑
…はい。
王様
…お前に…城…を…任せ…る…。
道枝駿佑
…え…?
みっちーが城の次期当主に…
一体なぜ…お父様はみっちーに次期当主を任命したのか?
是非…感想などコメントお願い致します🙇

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