視点:あなた
2日目が1番辛い……
もう何もしたくない……
イライラもする……
ひょっこり私の部屋に顔を覗かせる拓馬兄さん。
素直に私の言葉に従ってくれる。
けど、また数分後……
それだけ確認してまた部屋を出ていく。
それが何回か続き、
来る度に……
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私の体の調子と、
私が以前、女の子の日に何が欲しいか言ってたものを
少しずつ持ってきてくれる。
しかも私がイライラしてるのを分かってくれてるから
ちゃんと時間を開けてきてくれる。
起き上がろうとするけど体が重い。
それを察したようにサッと支えてくれる。
また部屋を出ていこうとするお兄ちゃん。
僕は2日目の日は情緒不安定になりやすい。
イライラしたり、
悲しくなったり、
物に当たる時もしばしばある。
今は、寂しいという感情がある。
隣に座ってくれて頭をぽんぽんと撫でてくれる。
拓馬兄さんの手は大きくて不器用な手つきだけど、
ちゃんと私のことを大切にしてくれてるのが伝わる。
スープを飲みながらボソッと呟く。
いつもの拓馬兄さんは気分屋で家事とかあまり手伝わずにゲームをしたり、
友達とかと遊びに出かけることが多い。
性格が明るくて初対面でも接しやすい兄さんは
結構モテるらしい。
それでも付き合わないのはちょっと不思議。
ニッと笑顔で恥ずかしいことをよく言う。
けど、その言葉に偽りがないからこそ心が暖かくなるんだろう。
いつもは頼りないお兄ちゃんも妹が辛い時にはしっかり頼りのあるお兄ちゃんになってくれる。
拓馬お兄ちゃんでした!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!