〜 JK side. 〜
キスをしてしまった。
どうしようどうしよう。
悪いことをしてしまった。
我慢できなかった。
もう、会える顔がない。
そう思った瞬間に、涙が溢れ出した。
相手は男だ。
男にキスされたら、誰だって驚くだろう。
もう無理なのかな。
もっともっと一緒に居たかった。
俺のそばに。
それから2週間が経った。
あの件があって以来、
一度もお店には行っていない。
ジミンさんに会いたくて、
会いたくてしょうがない。
そう思いながら帰り道を歩いていると、
後ろから走ってくる音が聞こえた。
「ジョングガ!!!!!!!」
聞き覚えのある声の方へ振り返ると、
そこにはジミンさんが居た。
「ジミンさん、、。」
ジミンさんの顔を見たら
泣きたくないのに涙が溢れた。
「ジョングガ、なんで来てくれないの?
ずっとずっと待ってたんだよ。」
そう言ってジミンさんは、
僕を抱きしめて泣いていた。
徐々に肩が濡れていくのが分かる。
「なんで?嫌いになった?
……………、、ぼく、
僕だけがこんなにグガのこと好きなの?」
俺は思いっきり首を横に振った。
「ジミンさん、聞いてください。
俺、ジミンさんのこと好きです。
大好きです。」
一層強く、ジミンさんを抱きしめた。
「離れてごめんなさい。
嫌われるのが、怖かった。
ごめんなさい、ごめんなさい。」
「いーーーの!!!」
ジミンさんは鼻を啜りながら言った。
「僕、初めて恋したの。ジョングガに。
だから、そうやってちゃんとグガの
気持ちが聞けて嬉しい。
ありがとう。」
「あ、あの、ジミンさ…」
「グガ。
僕と付き合ってくれませんか?」
「………俺が言いたかったのにぃ!!!」
「ははっ笑
そう思って僕から言っちゃった笑」
「もう本当に。そんな所も大好きです!!!」
「はははっ笑素直だなあ〜」
そう言ってジミンさんは
俺の頭を撫でてくれた。
これからは離れないように。
ずっとそばに居てね、ジミンさん。
〜 After Story 〜
ジョングクと付き合って2年の月日が経った。
高校三年生だった僕は大学二年生に、
高校一年生だったグガは高校三年生になった。
相変わらず僕は、
おばあちゃんのお店のお手伝いをしている。
「ただいま〜!」
そう言って、
あの頃よりももっと背が伸びたグガを
ハグで迎える。
「おかえりなさい」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!