楓「氷花サ ン …この度は私の幼なじみが無礼な真似をしてしまい失礼しましたア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
今俺は自室にいるであろう氷花にドア越しでスライディング土下座をかまして謝っている。。
氷花「はぁ…。別にそういうことしていいけど僕がいない日とかにしてくれない?」
ん?そういうこと?どういうこと?
………?
楓「そういうこととは~…一体なんのことでしょうか~……?」
氷花「だ!か!ら!」
ガチャッ っと勢いよく扉を開け出てきたと思ったら顔を赤面しながら
氷花「首の所!そういうことしないとつかないでしょ!?」
首の所…?…………あああぁぁぁぁぁぁぁ!!
あのホストに噛まれた所だぁぁぁぁ!
楓「違う!!俺ノンケだから!マジで!」
すんごい壮大な勘違いされてるよぁぁ!?
氷花「は?じゃあなに?その痕」
めちゃくちゃ冷めた目で見てくるやん…。
でもこれが1部のチワワちゃんにはウケるんだろうな~……ってそんなこと考えてる場合じゃねぇ!!
ホストに噛まれました!なんて馬鹿正直に言ったら逆に話がややこしくなるからぁぁ!
あ!これなら!
楓「さっき野良猫に会って、抱きあげようとしたら噛まれちゃったんだよ…!」
……ッいけるか?いけるか?
氷花「猫…?猫なら…しょうがないか…。
ちょっとまってて。 」
氷花くんが少しぬけててよかったァァァ!
生徒会の奴らだったら絶対バレてただろうなぁ…。うわっ寒気ッッ……。
氷花「…はい絆創膏。……勘違いしてごめん。…おやすみ。」
何しに行ったんだろうと思ったら絆創膏を持ってきてくれた。
その後に小声で 「…おやすみ。」と零して
パタンッ と扉を閉じた。
なんか警戒して近づいでこなかった小動物が初めて近寄ってきてくれた感覚ッッ。
そんなことを馬鹿みたいに思いながら、俺も自室に戻り荷物を整理することにしたお☆
楓「今日色々ありすぎだろ…。でも、これからの腐シチュを楽しみにして頑張るぜぇぇ!」
なんて強くいきこみながら整理を終えた。
……あれ?なんか俺忘れてね?
『 ブーッ! 』
そう思ったと同時に連絡が来て、スマホを見ると響君から不在着信が沢山!!
あら大変!忘れてた!
今日はライブがあるんだった!!
あ!言い忘れていましたが!
俺、花坂 楓 人気バンド「ウルフ」のボーカルを努めさせてもらってます!
そしてメンバーは響くんと陸くん!拍手!
ってそんなこと言ってる暇ねえぇぇぇぇ
体育2 の 花坂 楓 リュックを背負い 全力で走っております!
次回!花坂楓 死す!!
またね~!!
ハァハァハァハァアハァ…。着いた…………。
陸「だ、大丈夫…楓?
今日のライブ……出るのやめる…?」
楓 「ここまで来てやめねーよ!
みんな楽しみに待ってくれてるしッゲホッゴホッゴホッ…」
カッコつけようとしたら綺麗にむせましたわ。体育頑張ろ。
響「ったく。速く行くぞ。」
響くんッ少しは陸くんみたいにいたわってくれてもいいんだよ!?いいんだよ!?
なんて目で訴えながら楽屋に着けば、
みんなが変わる準備を始める!!
この瞬間が俺は一番好き…!
ホモシチュの次に(ボソッ)
俺はズラとカラコンをとり、銀髪を軽くゆって目元だけの黒い兎の面を付ける。
響はカラコンを外し、パーカーを羽織り、黒い狐の面をつける。
そして陸も、パーカーを羽織り、響と同じ黒い狐の面をつける。
すんげぇ厨二臭いけど、正体がバレにくいからめちゃくちゃいいんだ~
楓「今日、俺らの他に来るバンドってどこだっけ」
今人気なバンドさんを集めました!とは主催者の人には言われたけど…
響「俺らがこの前1位を抜いた「ロゼル」が呼ばれているらしい。」
ふ~ん、ロゼルかぁ~って は!?
楓 「今普通に ロゼルかぁ~って流しそうになったけど、バカ兄貴がいるバンドじゃね!?」
響「そうみたいだな。」
ねぇなんで響くんはそんな冷静なの!?
身内に聴かれるとか恥ずか死す。。。
で、でも!ホモシチュ見れるかもしれないラッキーな日なんじゃない!?
陸「ロゼル……か。楓のお兄さん以外、俺たちの事を多分嫌っているからちょっと怖いね…。」
……え?お、 俺ら嫌われてんの…?
うぇぇぇぇ!?響くんも深刻そうな顔しないで!?
響「まぁ、理由は簡単だろ。ひょっとでの俺たちに人気をかっさらわれたんだから。」
そうだった……。
自慢に聞こえるかもしれないが、
試しにネットに挙げた動画が思った以上に反響を呼び、トントン拍子で物事が進み謎の集団として人気No.1のバンドとなった。
誰もNo.1バンドのリーダーが腐男子って分からないんだろうなぁ(白目)
って、んなこと言ってる場合じゃねぇ!!
『ロゼル』は俺たちの憧れであって目標。
初めてロゼルの音楽を聴いた時は言葉を失った。とてもとても……かっこよくて。
俺らより実力はあっちの方が断然上だ。
だから今人気なのは、一瞬だけ……なのかもしれない。
そして、そんなど素人の俺らにNo.1の座を奪われたら嫌うのも無理はない……。
お、落ち着け…。一旦落ち着け俺……。
まだライブまで時間はある。
楓「俺ちょっと自販機行ってくる…わ。」
そう言って席を立ち上がれば、俺は今ライブをしているであろう 『ロゼル』を見に行った。
陸「あ、分かった…。」
響「ん。」
陸「余計なこと……言っちゃったかな…?」
響「は?あいつの顔…見てなかったのか?
あいつが毎日みてる、びーえる本?見てる時より目を輝かせてライブ見に行ったぞ。」
なんて響と陸が楽屋で話してたことを楓は知らない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!