第30話

ちゃんと伝えたい
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2017/10/11 23:20
「ふぅ、そろそろ一旦休憩しよ。」


午後3時、私たちのクラスは休憩時間を取ることになった。


お昼を食べた時に1時間の休憩があったけど、この暑さと午前中の疲れで割とダルい。


…悠貴の姿が見当たらない。


それに、三空も。


もしかして2人…既に付き合ってるとか…?


今日1日、悠貴と目が合わない。


目が合ったとしても逸らされる。


私、嫌われてるのかな?


嫌われるようなこと、なにかしたかな?


これって、告白したら、迷惑じゃない?


どうしよう、告白。


「なーに暗い顔してんの!」


「わっ!?」


後ろから七海の声。


振り返ると、七海は仁王立ちの状態。


「…だって、不安なんだもん…」


もし振られたら…このまま話せなくなっちゃうのかな?


気まずくなっちゃうのかな?


そんなの嫌だよ…。


そう思ってる心。


「じゃあ、やめるの?」


でも、少し期待してる心もいる。


だから…私…ちゃんと悠貴に好きって言いたい。


この気持ちを伝えたい。


「ううん、言うよ。

頑張る。」


そうだよ、“当たって砕けろ”だもんね!





…とは言いつつ、不安は消えないもので。


悠貴がどこにいるのか探しに出てしまう。


「っはは!

それはねーわっ!!」


下駄箱の方まで行ってみると、悠貴の声が聞こえた。


…なんかすごい笑ってる。


「ほんとだよー!

それでさぁっ」


!?


三空、の声…?


ドクンドクン。


重く響く私の鼓動。


今までの不安が倍になる。


1年の下駄箱の方から順に奥へ。


2人が仲良く話してるなんて…ヤダ。


でも足が止まってくれない。


「っ…」


こんな所、見たくなかった。


私たちのクラスの下駄箱の前で、悠貴と三空が笑い合っていた。


しかも、悠貴の手は三空の腕を掴んでいる。


「あ、あなた!」


悠貴は私に気がつくと、パッとその手を放した。


…なにそれっ。


まさか、やっぱ付き合ってて…。


私にバレないために、今手を放した?


「お前も三空見習って女子力上げろよな〜、わり、三空絆創膏サンキューな。」


「ううんっ!全然!」


悠貴は三空から受け取った絆創膏を張りながら言った。


…。


無性に腹が立った。


三空に勝てない私に、鈍感で私が傷つく言葉を平気で言ってくる悠貴に。


「…。」


私は何も言わずに二人に背を向けてその場を去った。

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