第3話

溢れる想い
56
2017/10/02 14:41
中2になりキミと同じ美化委員になった。

『これで、もっとキミと話せる!
よし!がんばろ!』

そう思った。だけど、周りの友達から急に美化委員になったから

「一ノ瀬くんねらい?」

とからかわれた。キミはイケメンだから女子の人気もあったのでそう言われてもしょうがないと思っていた。

だけど、それがだんだんエスカレートしていき終いにはクラスのみんなにその噂は広まった。

給食の時間友達がキミに

「なつえが一ノ瀬のこと好きらしいよー笑」

と言った。キミはただ顔を赤くするだけで、周りからは冷やかす声が絶えなかった。

「橘〜一ノ瀬のことすき?Yes?No?」

と言われて私はとっさに

「ノー!!」

と赤くなりながら言ってしまった。とても後悔した。そんなに否定する事はなかったなと。

それからの毎日はクラスのみんなにからかわれる日々だった。

悲しかった。何が悲しいかって私はからかわれるのに慣れているけど静かなキミは迷惑してるんじゃないかと悲しかった。

それでも、キミは普通に接してくれた。その優しさがとても嬉しかった。

教室でキミが私に委員会の事で話しかけてくれた時も周りの友達から

「顔赤いよーー笑笑」

と言われた。キミはすぐにその場から離れた。恥ずかしかったし、せっかく話しかけてくれたのに悲しかった。

でも、キミは誰もいない廊下で私のこと待っていてくれてそこで話してくれた。私の気持ちを理解してくれたのか、それとも自分が嫌だったからなのか、どちらにしても嬉しかった。

キミの優しさに触れられて私は幸せだった。そして、どんどん好きという気持ちは溢れていった。

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