私は北の国の姫。
あ、ちなみに、この辺は東西南北の国に分かれている。
互いに必要不可欠な国同士で、国王同士の仲もよく、国に生まれた姫は、別の国の王子の国に嫁入りする。
今は東西に王子が1人ずつ。
東には王子と姫が1人ずつ。
南には姫が一人いるが、執事と恋に落ち、結婚まで至ったらしい。
だから私は東西の国の王子どちらかと結婚せねばならない。
そして今日、初めて彼らと話す。
光「あなた、東と西の王子がいらっしゃってる」
『え、ねぇ、待ってよ光。まだ心の準備が…』
光「またせたら失礼だろ。早く来い。」
『はぁい…』
執事の光に手を引かれ、応接間に向かう。
光「開けるぞ?」
『う、うん…。』
ふぅっ、吐息を吐いて心を落ち着かせる。
私はここの国の姫だ。堂々としないと。
ぐっと、気持ちを引き締める。
『失礼しま…「姫、お待ちしておりました。」
涼「東の国から参りました。
第一王子、涼介と申します。」
以後、お見知りおきを、と手を差し出される。
その手に自分の手を重ねる。
『来ていただいてありがとうございます。
北の国、あなたと申します。』
涼「想像以上に美しいお顔立ちで…」
『ありがとうございます^^*』
涼「あ、お世辞じゃないですからね?」
今すぐ自分のモノにしてしまいたいくらい…。
そう告げると、彼は指と指をそっと絡める。
『涼介様、ッ//』
涼「顔がりんごのように真っ赤になっていますよ?笑」
そんなところも、愛らしい…。
そう言って微笑む彼。
彼の行動に振り回されていると、部屋に大きな声が響いた。
「ちょっとまって!俺もおるからな~!」
Next.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!