「す、すいません!」
「キミってさ、なんか集中してんだかぼーっとしてんだか分かんないんけどたまに周りが見えなるときがあるよね〜笑 俺はもう慣れたけどー他の人には誤解されることもあるからさ。気をつけるんだよ!」
「はぃ…。」
「ほら、落ち込まないっ! プリント…貸して😊」
「あっ、はい!お願いします!」
プリントを渡すとき思わず手がふれた
「あ…すいません」
先生は口パクで「いいよ〜」と返してくれた。
視線をプリントに移す。
「うん。いい感じ。よくできてるね!」
そう言ってプリントを返してくれた。
「ありがとうございます!」
わたしが戻ろう後ろを振り返る。
「あ、待って! ちょっと来てくんない?」
「はいっ、ごめんなさい。なんですか?」
私は先生の正面に来た。
「あー俺の横来て?」
「横!?ですか?」
「横っつーか、まーこっち来い」
「はい。」
教卓を挟んでいた距離が縮まる。
私の後ろに並ぶ生徒を置いて私と先生だけの“こちらがわ”の空間。
「橋内の班さ、結構くせ者揃いだと思うからさ。まとめんの頼むぞ、リーダー。」
「え?///」
いつも、授業中とか全体の場以外は“キミ”としか呼んでくれない先生なのに、今日は苗字呼びだなんて…珍しい。
「まっ、キミもくせ者の1人か笑笑」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。