アンケートでから分かったのは、名前、誕生日、年齢。
それと、住所。
この条件であの子だと決定は出来なかったけれど、俺は運をかけてみることにした。
マサイがスマホで検索している。
嫌な予感しかなかった。
やっぱり!
だからあの時1人で引越しさせられたのか
今もこの住所ってことは引き取り手がいないってこと…
7年間も。
寂しがっているだろうか。
なんであなたがそんな目に合わなきゃいけねぇんだよ…!
モトキの空気を読まない発言に、思わず怒りが沸き上がる。
ほんとに何が言いたいんだ…?
俺らが、引き取る…?
つまり…
あなたを家族に…
ようやく納得した。
そうと決まれば、こうしちゃいられない。
俺は、慌てて携帯を手に取った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!