そんなジフナとの帰り道。
いつもは行かないカフェへ寄って、
買い物をして、少しでも気を紛らわせようとしたけど
全然だめだった。
頭ん中はあなただらけ。
もうどうすりゃいいんだよ!!
ジフナが指を指した先に、
見覚えのある服の女の子がひとり。
よくよく見てみてると.....
あなただ!
その瞬間、あなたの隣に人影が見えた。
あなたが笑いながら店から出てくるところだった。
あぁ、、、本当に二人で帰ったんだ。
あんな笑顔、もう随分と見てないな。
本当なら俺が隣に居るはずなのに。
そんな沈んだ気持ちになりながらも
二人を見ないように足早にその場を去った。
ジフナの声に気付き、ハッとして足を止めた。
周りを見渡すと、俺の家とは真反対の方向。
どんだけ動揺してんだよ、俺。
あーあ、明日学校行きたくねぇな〜。
え???
俺、心の声漏れてた???
何事も無かったかのようにスタスタと歩くジフナ。
そんなジフナを背に家の方向へ歩き始めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!