「茜…」
「優菜……」
「あっれぇ? 優菜ちゃんじゃありませんか?」
「金城っっ」
「どうされましたかぁ?」
「茜に何を言ったか…知らないけど、近づかないで」
「よく口がそんなに動きますわね」
「確かにね」
「さ、笹倉!?」
なんで、こんなとこに笹倉が
まさか……
脅しに使ったとか?
いや、
それはないはず…
笹倉を脅しに使っても意味無い
だとしたら
「茜? これは私が少女マンガの読みすぎかもしれないけど……
笹倉と付き合った?」
「っ!!!」
「おー、察しがいいね、そう茜と付き合う事になりました〜」
「別に……自分の気持ちじゃ、」
「わかってる、分かってるよ…」
少女マンガみたいになるもんだね…
だと、しても
恋奈に知れ渡って
合川にも…
蓮がどうにかするかもしれないけど
でも
私も言わなきゃ
「言っとくけど…、別れて?」
「はい?」
「…」
「茜の悲しい顔…もう見たくないの」
「ごめんね〜、君が僕のファンとはしらなくて」
「は?」
「でも、茜に恋しちゃった以上…俺の気持ち変わらないから」
「!?」
こいつ…本当に恋してるのかっっ
「笹倉、離れて」
「やめてよ、その呼び方さ?」
「…いいから、くっつくな」
「笹倉さん、お願いしますわね?」
お願いします
その言葉には
どんな意味がこもってるのか…
わからない
茜はまた、悲しい想いをしなきゃいけないのか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!