第4話

◻️❹◻️
436
2017/12/11 02:34
トントン。


階段をのぼるたび、微かな靴の音がひびいた。


のぼりきったあと、左へ曲がった。




わたしの教室は突き当たりにある。


廊下を進んでいる途中、合奏部の奏でる音が聴こえてきた。


ジングルベル。


あぁ、もうクリスマスの時期かぁ。


なんて考えながら教室のドアを開けた。


見慣れた人影が視界に入った。


サトシくんだった。


背を向けていた彼が振り返る。
あなた

サトシくん


お互いに抜けたような声をあげた。

あなた

…………



わたしはドアに手をかけたまま、動けなかった。


誰もいないと思っていただけに、驚いた。

サトシくん
…………


サトシくんも、同じだったようだ。

窓際に立ち、目を見開いて声を失っていた。

あなた

…………

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