ここはどこだろう……
僕、いつから眠ってたんだろう 。
それに少し、明るい気がする 。
それに、話し声も聞こえる 。
あぁ、これは夢なんだな 。
明晰夢で夢を見るって少し可笑しいが、
早く起きねぇーと、長時間だったらアイツらに心配させちまうな 。
……あれ、アイツらじゃ……ない 。
僕のことを相当心配してくれていたそうだ 。
コイツらは記憶上では確か……
僕の妹の伊織と、弟の咲斗だったような気がする 。
記憶が曖昧でよく分からなくなっている 。
僕はすぐに退院できた 。
どこにも負傷はないと言われ、もう帰っていいという許可が降りたのだ 。
咲斗は僕の顔を見て笑う 。
あ、そうかと僕も理解する 。
僕は笑いながら咲斗の頭を撫でる 。
すると、頭の中で過去の記憶が過ぎった 。
僕はその場に立膝をついた 。
僕はぼんやりと写った2人の顔を見る 。
やっぱり、伊織は泣き虫だな……
そう思ってた時、隣ではニヤリと笑う咲斗の姿があった 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。