そう黄瀬に言われて、私はちらりとジェットコースターを見てしまった
黄瀬は はははっ と笑ってあれ乗ろっか、と私の手を引いて歩き出した
私はずっと気になっていたことを聞いてみた
すると黄瀬は、
と言って微笑んだ
って、なにさらっと恥ずかしいこと言ってんだこいつは...
でもまぁ、正直言って助かった
気晴らしにでもこういうところに来なきゃ、きっと立ち直れなかったから
黄瀬に聞こえるか聞こえないか位の大きさで呟いた
それから私達はジェットコースターに乗り叫びまくってからコーヒーカップやメリーゴーランドなど、遊園地のアトラクションを片っ端から乗りまくった
確かに疲れた...叫びすぎて喉かわいたし...
私達はアイスを買って木陰のベンチに座った
その時も黄瀬がおごってくれた
ほんと、どうしたんだ今日は...?
いきなり今一番気まずい話をふってきたもんだから間抜けな声が出てしまった
て、いうか...
そんな恥ずかしいこと言えないよ...!///
ニシシ、と笑った黄瀬のバカさとポジティブさに呆れてしまった
現に何回か恐ろしい笑顔を見たし...
すると黄瀬は、あぁ と言って
とペロッと私の口の横をなめた
...は!?//
語尾にハートがつきそうなくらいの甘い声で舌を出して言った黄瀬に、私は容赦なく頭を叩いた
が、何やら周りの女子の視線が熱い
見ると皆目をハートにさせ頬を赤くしていた
ほんとに、この男は...
私は立ち上がって黄瀬に言った
この黄瀬のバカさとかにも助けられてるんだよな、きっと
今頃なら多分観覧車からきれいに夕陽が見れそうだ
私達は話しをしながら観覧車へ向かった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。