第9話

教室《愛side》
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2018/01/14 05:18
祐に彼女はいないって言葉を聞いて

嬉しくなった!

だってホッとしたんだもん
そう考えながら歩いてたら

祐に不思議そうな顔と声で
祐也
なに、にやけてんの?笑
えっ、私、にやけてた?!

は、恥ずかしい…
な、なんにもないよ!
って言ったけど

声は震えてるし絶対嘘なのバレバレ笑
祐也
愛、俺に隠し事出来るって思ってんの?
祐に…彼女なんていないって、言われて
う、嬉しかっただけ…だもん
そう言って祐の顔を見たら

祐は顔を隠すようにそっぽを向いた
なんで、そっち向くんだろう?
そんなことを考えてるうちに

教室に、ついた

かなちゃんは…いない

私の席の周りでは人だかり

なんでだろう?

思いながら自分の席に近づくと
え、なに…これ…
机には

『男たらし』



『汚い女』



『モテ男がいてくれるからって調子乗ってんじゃねぇよ』

とか、

『死ね』

とかがいっぱい机の上に書かれてた

なんで?私何にもしてないよね?
そう思いながら立ち尽くしていたら

祐に声をかけられた
祐也
愛?座んねぇの?
す、座るよ!
私は祐に机の上の惨状を見られないように

朝机の中に入れたプリントを

机の上の文字が見えないように隠した

周りを見ると女の子達が笑ってる

私が下を向いていると

さっき祐に話しかけてた女の子に話しかけられた
始業式の隣の席の女
ふふっ工藤さんが悪いんだよ?
本庄君も東雲くんも取るから
本庄君と東雲くんはみんなのなの
というか東雲くんは私の…
あんたなんかとは不釣り合いなの分かる?
って馬鹿にしたような声で言われた

それに祐とは席が遠いから私たちの会話は

聞こえてない

そっか、それが目的だったんだ
奏翔
何してんの汐留
始業式の隣の席の女
あっ、本庄…君
奏翔くんはこの女の子の事知ってるんだ

汐留さん…
奏翔
何してんのって聞いてんだけど
汐留さん
なっ、何もしてないよ?
まあ、なんとも言えないかわいい笑顔が

今の私には怖かった

2人のやり取りを見てると

奏翔くんは私の机をチラッとみた

ば、バレちゃったかな…
か、奏翔くんな、何も無いから
席座ろ?
そう言ったのに奏翔くんは

全然言うこと聞いてくれない

それどころか目つきがどんどん鋭くなっていく
奏翔
へぇ〜なにもしてない…ね
じゃあ、これはなに?
そう言って奏翔くんは

せっかく文字を隠したプリント達を

払って机を持ち上げて

みんなが見えるように教卓の上に置いた
か、奏翔くん…!
クラスの女子全員は唖然としてる

それもそのはずだよね

まさかモテモテの本庄君が見るとも

思ってないだろうし
ガタッ
祐也
おい、誰が愛にこんなことしたんだ
そう言って祐は私のところに近づいてくる

と思ったら私を立たせて

抱き寄せた…
えっ…
女子達
いやー!!!
私、今、どんな状況?
祐也
おい聞け
次、こんな事を愛にしたら
手加減しねぇから
祐にまた助けられた

私と祐はいつも距離が近いから

今までもこんないじめにあってきた

その分毎回の如く祐が助けてくれる
奏翔
俺も許さねぇから
か、奏翔くんまで…

私は1人あたふたしてた…

そして祐にぎゅってされ
祐也
俺、ぜってぇ愛の事守るから
うん…
力強くハグしてくれるから

私もし返した

その間にも私の心臓は

バクバク

熱くなる

なんでだろう…

心臓が痛い
とうとうそのよく分からない熱さに負けて

意識を手放した

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